AはNさんと仲良くなると、「買い物があるなら、子どもを見ていてあげるよ」と外出を勧めるようになったといいます。あるとき、「じゃあ一緒に買い物に行こう」というAに、外出をOKしたNさん。財布に手持ちがなかったため、生活費が入っている引き出しからお金を取り出しました。

「うちは引き出しにすべてロックをかけています。Aは、『うちも引き出しにロックをかけようと思っていたの、どこで買ったの?これってどうやって外すの?』といろいろ聞いてきました」NさんはAの質問に丁寧に答え、ロックの解除方法も教えてしまったといいます。「うかつですよね。でもそのときはすごく信頼していたので、まったく疑問に思わなかったんです」

ちょうどそのとき、下の子がお漏らしをしてしまったそう。Aは「私が子どもたち見ているから、今のうちに洗っちゃいなよ」とNさんを洗面所に向かわせました。その後一緒に買い物に出かけ、外出先で別れたNさんとA。

封筒の中にいれていた1ヶ月分の生活費が5万円減っていたことに気づいたのは、1週間以上たってからでした。「次に取り出すときまでまったく気づかなかったんです。もちろんAのことは疑いもしていないので、夫を疑って大げんか。子どものイタズラも考えましたが、結局お金は見つかりませんでした」

ほかにも被害者が…? 

NさんがAのことを疑い始めたのは、意外なところからでした。「同じ幼稚園に通うBさんから相談を受けたんです。『もしかしたらAは泥棒癖があるかもしれない…』と」Nさんとほぼ同時期にAに声を掛けられたというBさん。ある日、財布の中身が不自然に減っていることに気づき、Aに対して疑いを募らせたといいます。AはBさんにも「あなたにしか本音を話せない」「一緒に出かけようよ」と、同じことを話していたことが分かりました。