株式市場の振り返り-薄商いの中で3日続伸。終値でも1,100ポイントを難なく回復。

2016年5月23日(月)の新興株式市場は続伸となりました。日経ジャスダック平均は前日比+0.5%の小幅上昇になりましたが、現在の新興株式市場の主役である東証マザーズ総合指数は+3.5%の大幅上昇となる3日続伸でした。ただ、先週に急落した分の買い戻しの様相が強く、力強さにはやや欠けています。

東証マザーズ総合指数は、5月12~13日にかけて、4月21日に付けた約9年ぶりとなる高値(1,230ポイント)を抜く目前まで行きましたが、その後は調整を強いられていました。しかし、23日の相場では、大幅上昇となる3日続伸となったことに加えて、ほぼ高値引けとなりました。また、終値でも当面の攻防ラインと見られていた1,100ポイントをあっさり超えたことで、少なくとも下値不安が薄らいだと言えます。終値の攻防ラインを1,200ポイントに持っていくためにも、今後の展開が注目です。

しかしながら、その一方では、連日の薄商いが気になります。23日の出来高は、先週末よりは若干増えたものの、約6,793万株に止まっており、3日連続の1億株割れでした。また、5月に入ってからを見ると、1億株を超えたのはたった2日間しかありません。なお、23日の売買代金は1,933億円(概算)、値上がり銘柄数168、値下がり銘柄数51、変わらず6銘柄となっています。売買代金を見ても、まだ力強さが足りないと言えましょう。

医療バイオ関連で上昇が目立ち、情報通信関連で下落が目立つ

23日の東証マザーズ市場の個別銘柄では、医療バイオ関連の上昇が目立ちました。グリーンペプタイド(4594)は先週末比で変わらずでしたが、そーせいグループ(4565)が+10%近く上昇し、アキュセラ(4589)が+19%となり連日のストップ高、ヘリオス(4593)が+10%、サンバイオ(4592)が+5%、そして、オンコリスバイオファーマ(4588)が+20%のストップ高となっています。

一方で、情報通信関連を中心に値下がりが多く、ブランジスタ(6176)が▲1%、アカツキ(3932)が▲8%、モルフォ(3653)が▲2%、エディア(3935)が▲5%と値を下げました。これらは、ブランジスタを除くと、先週は概ね上昇しており、利益確定売りに押された形になっているようです。

その他の注目株では、CYBERDYNE(7779)が+0%、Gunosy(6047)は▲1%、はてな(3930)は+2%、エナリス(6079)が+3%、ミクシィ(2121)が▲0%となっています。

当面は安値を拾って、利益確定タイミングを待つ戦略が中心か

先週の東証マザーズ市場では、急落⇒小幅反発⇒急落⇒小幅反発というサイクルが繰り返されましたが、先週末を含めて3日続伸となりました。どうやら、一旦は、このサイクルから離れたようです。しかし、新たな材料が乏しいこと等から、厳しい薄商いが続いており、新興市場特有の活気も見られません。このまま“物色第二波”が即座に押し寄せる可能性は低く、当面は安値を拾って、その後に利益確定をするという動きになりそうです。

今週は、伊勢志摩サミットの本会議も行われますが、新興市場では、この伊勢志摩サミット終了後に、様々な情報が出て来ると思われます。それも含めて、23日は上昇したものの、先週からの下落が大きかった医療バイオ関連で、安くなった銘柄に注目です。また、成長戦略のネタになりそうな自動運転、次世代エネルギー、FinTech、ドローン、AI、民泊などにも引き続き注目したいと思います。

LIMO編集部