NEC、上期は全セグメントで調整後利益が増益し上振れ 追加投資実施のため業績予想は据え置き

2019年10月29日に行われた、日本電気株式会社2020年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:日本電気株式会社 代表取締役 執行役員社長 兼 CEO 新野隆 氏

上期 実績サマリー

新野隆氏:執行役員兼CEOの新野です。本日はお足元の悪いなか、また遅い時間に多数お集まりいただきまして、ありがとうございます。

それでは、本日発表させていただきました2019年度第2四半期の決算概要について、ご説明を申し上げます。

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まず最初に上期の実績をご報告し、次に業績予想について、そして最後に2020年中期経営計画の進捗についてご説明します。

スライド4ページ目です。上期の売上収益は1兆4,490億円、調整後の営業利益は554億円となりました。また税引前利益は461億円、調整後の当期利益は343億円となりました。

フリーキャッシュ・フローは556億円の収入となり、前年同期と比べて728億円改善いたしました。これにつきましては、のちほど少し詳しくご説明します。

中間配当につきましては期初からお約束していた1株30円を、本日の取締役会で決定しております。

なお、この決算書については、社内の上期の想定に対して売上収益で800億円、調整後の営業利益で150億円の上振れとなっています。

セグメント別 上期実績サマリー

5ページ目、上期実績のセグメント別の表でございます。売上収益につきましては、電極事業売却の影響を受けた「その他」事業を除いた全セグメントで増収となり、調整後の営業利益は全てのセグメントで増益となっています。

社内の想定と比べ、上期の調整後の営業利益はパブリックとシステムプラットフォームを中心に上振れしています。

《参考》営業損益の調整項目について

6ページ目では、会計上の営業利益と調整後営業利益との調整項目の詳細についてご参考にお示ししております。この上期は85億円となっています。

上期の構造改革効果

7ページ目でございます。これは2018年度に実施した構造改革の効果についてお示ししております。

2019年度上期の構造改革効果は総額で150億円となり、2018年度に実施した構造改革の効果は想定どおり業績改善に寄与しています。

それでは、次のページからセグメント別の実績についてご説明申し上げます。

パブリック

8ページ目、パブリックでございます。売上収益につきましては、日本航空電子工業が減収となったものの、社会公共領域、社会基盤領域がともに増収となり、前年同期に比べて4.4パーセント増加の4,181億円となりました。

営業利益は、自治体向けのITサービスや航空宇宙・防衛領域などの売上増によって、前年同期に比べて134億円改善し263億円の利益となりました。

エンタープライズ

9ページ目、エンタープライズです。売上収益につきましては、Office365を中心としたライセンスの仕様利用の変更による影響が156億円計上されていますが、この特殊要因を除いても金融業向けの増加等によって4パーセントの増収となっています。

営業利益につきましては、一時的な不採算案件が発生したものの、売上増などにより、前年同期に比べて15億円増加し175億円の利益となりました。

なお、仕様利用変更に伴う売上増部分の利益インパクトは軽微となっています。

ネットワークサービス

10ページ目、ネットワークサービスです。売上収益は、5G導入を見据えた固定ネットワーク整備の活性化に加え、子会社であるNECネッツエスアイの増加、またITサービス領域の増加などにより、前年同期に比べて11パーセント増加し、2,256億円となりました。

楽天モバイル向けのビジネスも上期の増収に寄与しております。

営業利益につきましては、売上増に加えて前年同期にあった不採算プロジェクトの改善などもあり、66億円改善の116億円の営業利益となりました。

システムプラットフォーム

11ページ目、システムプラットフォームです。売上収益につきましては、企業向けのパソコンやサ―バーを中心としたハードウェアが増加したことにより、前年同期に比べて16.7パーセント増となる2,637億円となりました。

営業利益は、構造改革の効果に加えて売上増による増益が大きく、前年同期に比べて158億円改善し208億円の利益となりました。

グローバル

12ページ、グローバルです。売上収益につきましては、KMDの新規連結や海洋システムの増加などにより、前年同期に比べまして23.3パーセント増加し、2,436億円となりました。

営業利益は、セ―ファーシティ、サービスプロバイダーソリューション、ワイヤレスソリューション、海洋システムなど各領域での改善により、前年同期に比べて36億円改善し9億円の利益となり、上期で黒字化することができました。

グローバル事業の状況①

13ページ目は、グローバルについてもう少し詳しくご説明します。左側の棒グラフは、グローバルに含まれる主要事業の売上規模のイメージです。セーファーシティは、KMDの新規連結により前年同期に比べて大幅増収となっています。

また、海洋システムとエネルギーにつきましては、前年度の受注増を受けて増収となっています。

損益につきましては、セ―ファーシティ、海洋システムが売上増により改善したほか、収益性の改善により、ワイヤレスソリューション、サービスプロバイダーソリューションが上期黒字化を達成しています。

一方、エネルギー事業につきましては、売上が増加したものの不採算案件の計上により、またディスプレイについても競争環境の激化により、それぞれ減益となっています。

フリー・キャッシュ・フローの状況

14ページ目、フリーキャッシュ・フローの状況でございます。上期のフリーキャッシュ・フローの改善要因をご説明します。

営業キャッシュフローにおいて、調整後の営業利益が約370億円、期末債権残の回収および資産効率化などにより運転収支が約275億円改善しております。加えまして、IFRS第16号の適応によって約265億円の影響がありました。

一方、投資キャッシュ・フローにつきましては、データーセンターや新規事業への投資などにより、約180億円悪化しております。

これらの結果、フリーキャッシュ・フローは前年同期に比べて728億円の改善となっております。

なお、IFRS第16号リースの適応により、上期末のバランスシートでは有利子負債が約1,700億円増加しております。

業績予想サマリー

続きまして、2019年度の業績予想についてご説明します。16ページ目でございます。

上期の業績につきましては、社内想定費で上振れしていますが、今後将来の収益性の改善・成長に向けての追加の投資、あるいは体質改善のための施策を実行・検討していくため、年間の業績予想につきましては4月26日公表した計画から変更しておりません。

国内事業の動向

17ページ目では、上期の国内事業の受注動向について説明します。ご覧のとおり、国内の受注は第1四半期から引き続き好調を継続しています。

パブリックは自治体や中央官庁、医療機関、放送局向けを中心に伸長しています。エンタープライズは、高水準を維持しています。

また、ネットワークサービスにつきましても、第1四半期に引き続き、5Gの導入を見据えた固定ネットワークの整備のため、国内の固定キャリア向けを中心に伸長しております。

システムプラットフォームは、Windows10への切り替え需要拡大によって企業向けのPCが大きく伸長したことに加え、ハードウェア全般で受注増となっています。

通期計画に対する考え方

18ページ目、通期計画に対する考え方をご説明申し上げます。

国内は、好調な事業環境を背景として全セグメントで増収・増益となりました。会社の上期想定に対しても、パブリックやシステムプラットフォームを中心に上振れしており、年間でもこの上振れが実現できるように引き続き取り組んで参りたいと考えています。

一方グローバルにつきましては上期でのプロジェクトは達成していますが、エネルギー事業やディスプレイにつきましては上期の想定に対して下振れしており、年間の業績計画に対しても依然リスクがあると認識しています。

下期は、そのリスクの解消に努めることに加え、今後の業績の伸長、あるいは収益性の改善に向けた追加の成長投資や体質改善・施策についても、引き続き検討してまいりたいと考えています。

グローバル事業の状況②

最後に、2020年中期経営計画の進捗についてご説明申し上げます。20ページ目では、グローバル事業の状況について説明しています。

まず、損益面につきましては、ワイヤレスソリューション、サービスプロバイダーソリューションの上期の黒字化を達成しています。

それにより、グローバル事業全体でも黒字化を達成することができました。NPSやKMDについて、M&A後のPMIが順調に進んでおり、またスターアライアンスとの協業についても、2020年3月までのサービス提供開始に向けて展開を加速していきます。

また、サービスプロバイダーソリューションにおいても、欧州のTire1キャリア向けの仮想化プロジェクトを着実に進めています。

生体認証関連の取り組み

21ページ目では、生体認証関連の取り組みについてご説明します。

当社は、NIST米国の国立標準技術研究所の電子マークテストにおいて、5度目となる第1位評価を獲得し、技術的な優位性を示すことができました。

顔認証技術などを活用したお客さまとの競争活動も進んでおり、先日発表したセブン銀行さまとのATMの顔認証の技術の搭載が決まったほか、ローソンさまとは顔検出技術を活用したスマート店舗の実証を行っています。

また、ESG観点での活動も広がっており、国連のWFPやGaviワクチンアライアンスとの取り組みを通じた社会課題解決にも貢献していきます。

5Gを見据えた取り組み

22ページ目では、5Gを見据えた取り組みについてご説明します。この上期は、NTTドコモさま向けに5Gの基地局の出荷を開始したほか、楽天モバイル様からも受注を獲得しています。

加えて、ローカル5Gの取り組みも、鉄道、リテール、建設業など、幅広い産業分野でお客さまとの競争、あるいは実証活動を進めています。

また、ラグビーのワールドカップにおきましても次世代の業務用無線システムを試験提供するといった取り組みも併せて行っています。

実行力の改革に向けた活動を継続

23ページ目では、実行力の改革に向けた取り組みであります、プロジェクトライズの進捗についてご紹介したいと思います。

私たちはNECの次の歴史を作るべく、自らの文化を変えるという決意のもとで、このプロジェクトライズを実践しています。

この上期には、社員がより生産的に働くための環境面の整備として、Co-Workingスペース「BASE」をこの本社ビルの3階に設置したほか、テレワークの推進などにも積極的に取り組んでいます。

また、制度面についてはよりフェアな評価で人材の力を最大限に生かすため、その基盤となる人事評価制度を刷新し、国内外の関係会社にも展開を拡大したほか、経営力の再構築や責任の明確化を狙いとして、執行役員の任用制度の変革にも取り組んでいます。

さらに、当社は7月のIR Dayをはじめとして、さまざまなステークホルダーを巻き込んだ改革を進めています。

Orchestrating a brighter world

最後になりますが、2019年度は当社にとってターンアラウンドの年となっています。この下期についても業績の伸長に向けて取りうる手段を最大限に検討し、実行に移していくことで2020年中期経営計画の達成に向けた勢いを加速していきたいと考えています。

プレゼンテーションは以上となります。ご清聴ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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