年明けから中東情勢に緊張が走る

新年から、米国のイランに対する軍事攻撃による緊張が走りました。みなさんは報道でその状況をフォローされていると思いますが、何も年初に攻撃を行わなくても、と思う方がほとんどだと思います。しかも、世界の株式市場が“大発会”直後にもかかわらず、です。

もっとも、こうした軍事的攻撃は相手の間隙を狙って行わないと効果はありませんから、金融市場に与えるショックもそれなりに大きいのです。

2016年来の米中貿易問題に片が付きそうだという矢先に、2020年初頭も再び地政学リスクに苛まれる投資家にとって、この手のイベントは好ましいものではないでしょう。

もっとも、こういうイベントがあると察してあらかじめ原油や金を買っていた投資家はウハウハでしょうが、なかなかそうは読めるものではありません。

では、こうした地政学リスクに端を発する相場変動にどうすれば対処できるのでしょうか。対処するとは、うまくそのリスクを察知して買いポジションを利益確定させるとか、売りポジションを予め作成しておくとか、そういう意味です。

残念ながら、筆者の考えではほとんどの投資家は対処ができないと考えています。これは、プロである機関投資家、個人投資家に関わらず難しいことです。

むしろ投資家の資金を投資しなければならない機関投資家は、かならず何らかの資産クラスに投資しなければならないわけですから、相場が下落した際のダメージは個人投資家の比ではないはずです。