「子どもがまっすぐ黒板の方を向いて、もくもくとご飯を食べる…想像しただけで息が詰まります。確かに、給食をしっかりと味わって食べることは大切だけど…」

また別のお母さんはこう語ります。「『なぜ給食時間に私語禁止』なのかをしっかりと理解できていればいいのですが…。意図をちゃんと説明されずに頭ごなしに『いただきますのあとはおしゃべり禁止』と言われているみたいで、小学1年生の息子は『楽しくない』とぼやいています」

一方で「給食中のおしゃべり禁止」に好意的な保護者も多数。「限られた時間の中で食べないといけないのだから、『食』に集中することは大切。会話を楽しみながら食事をするのは、家での食事のときでいいのではないでしょうか」

「最初から最後まで私語禁止なら、それはちょっと…と思いますが、後にちゃんとおしゃべりOKの時間も設けているのだから、なんら問題ないと思います。食べることに集中する時間、会話をしながら食事を楽しむ時間、両方あるのですから何をクレーム付ける必要があるのでしょうか?」

どうやら保護者の間でも賛否両論ある、給食中のおしゃべり禁止問題。しかし、明確な目的を持って学校が定めている以上、子どもたちがきちんと納得できるようにその理由を教えてあげるのが親の役目だと思います。

まとめ

ちなみに筆者は「給食中におしゃべり禁止時間」を設けることには賛成です。文部科学省によると、学校給食の目的は「学校給食の普及充実及び学校における食育の推進を図ること」。給食時間に、「時間内に食べ終える」「食べることに集中する」ことを覚えるのも、れっきとした食育の一環だと思うのです。

しかし、大切なのは子どもたちがその意義をしっかりと理解すること。子どもたちが「なぜおしゃべり禁止なのか」を理解せず、「黙ることを強制されている」と感じることがないよう、家庭でもしっかりとフォローしてあげる必要があるな、と考えています。

大中 千景