株式市場の振り返り-超閑散状態の中で続伸、新興市場は戻りが鈍い展開

2016年5月17日(火)の東京株式市場は続伸となりました。日経平均株価は前日比+1.1%の上昇、TOPIXも+1.0%の上昇で引けています。また、東証マザーズ総合指数も+1.3%上昇の反発となりましたが、前日の急落からの戻りとしては鈍い動きとなっています。

日経平均株価は、NY市場の上昇等を受けて、前日比+151円高で寄り付いたものの、その後は売りに押されて+42円高まで下げました。しかし、その後は切り返して16,600円前後が続いた後、大引け直前には+189円高となる場面がありました。大引けは+186円高の16,652円で終わっています。ほぼ高値引けに近い状況でした。

東証1部で上昇したのは1,505銘柄、値下がり350銘柄、変わらず95銘柄でした。値上がり銘柄が77%に達した割には、小幅な上昇に止まったと言えます。また、東証1部の出来高は17億8,445万株、売買代金は1兆8,988億円(概算)となっています。連日の“超”薄商いになっており、手数料収入が激減する証券会社の悲鳴が聞こえるような感じがします。外資系証券会社のリストラも心配です。

セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中32業種が上昇、情報・通信のみが下落

東証1部の32業種が上昇し、下落したのは情報・通信の1業種だけでした。上昇率上位は、海運+3.7%、鉱業+3.0%、電力・ガス+2.4%、証券・商品+2.4%、倉庫・運輸+2.3%、鉄鋼+2.3%などでした。薄商いの中でもあり、特に目立った動きはありませんでした。

個別銘柄を見ると、指数寄与度の大きい銘柄では、ファーストリティリング(9983)、ソフトバンクグループ(9984)、テルモ(4543)、アステラス製薬(4503)、塩野義製薬(4507)などが上昇しました。電機セクターでは三菱電機(6503)が値を上げて年初来高値を更新し、船井電機(6839)も大幅高となりました。薄商いで収益悪化が心配される証券会社は、不思議なことに、野村ホールディングス(8604)などが軒並み上昇しています。一方、KDDI(9433)やNTTドコモ(9437)が大きく値を下げ、花王(4452)やピジョン(7956)なども下落しました。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-補正予算成立でイベントも動き出すか?内需関連に注目

材料難から17日の株式相場も超閑散状態となりました。しかし、17日に2016年度の補正予算が成立しましたので、伊勢志摩サミット絡みの動きも徐々に出始めるのではないかと期待されます。20~21日に開催されるG7財務大臣・中央銀行総裁会議を含めて、18日からの動きに注視したいと思います。

18日(水)の注目ポイントに変わりはありません。政府の景気対策の恩恵銘柄で、この決算発表時に下がった銘柄を拾うことが有効でしょう。建設、不動産、小売、医薬品、トイレタリーの各セクターに注目します。特に、パフォーマンスの冴えない不動産株、及び、医薬品株に注目です。また、伊勢志摩サミットで為替相場の風向きが変わることも十分に考えられますので、過度に売られた輸出関連銘柄にも目を向けてもいいでしょう。

青山 諭志