人を悪く言うと一時的に怒りやいら立ちがおさまるかもしれませんが、誰かを悪く言う言葉は知らず知らずのうちに自分やそばで聞いていた人たちを蝕んでいきます。できるだけしない方がいいことですが、わかっていてもつい、という人も少なくないのでは?

そんな人の中にも、漢弾地さんの漫画を通して「こうすればいいのか」と気づくことで、同じように人を悪く言う機会が減ったという人もおられることでしょう。マイナスを省みてプラスに変化させる方法を、漢弾地さんの漫画はたびたび読者に示します。

漢弾地さんがエッセイ漫画を描いたきっかけ


漢弾地さんはプロの漫画家です。ヤングマガジン増刊号でデビュー後、青年誌、四コマ誌などでご活躍のほか漫画の原作も手掛けていて、現在は別名義でも活動されているそうです。

奥さんとのやりとりを描いたエッセイ漫画はTwitterで人気を呼び、『僕と妻の場合――僕たち夫婦が仲良く暮らしている理由』というタイトルで単行本にもなっています。この漫画を描くきっかけを漢弾地さんに聞いてみました。

「日常で起こったことを友人に話したらウケたので、『漫画に描いてみようかな?』と思いました。妻は自分自身を描かれることを最初はとても恥ずかしがっていましたが、最近は一人の読者として楽しんでくれています」

エッセイ漫画を通して、奥さんとよい関係を築いていることがうかがえる漢弾地さんですが、エッセイ漫画を描くようになってからはさらに密に話し合うことが増えたそうです。

「実際にあったことを描くので『あれってどうだったっけ?』、『あの時どう思ってたの?』と妻によく聞くのですが、その分、お互いの考えや感じたことを伝え合う機会が増えたように思います」

エッセイ漫画の中で、漢弾地さんはよく奥さんの言葉から気づきを得たり、奥さんに意見を求めたりしています。その根底には奥さんへのリスペクトが強くうかがえます。お互いを尊重する姿勢が理解と新しい知恵を生み出しているのだと、漫画から感じられます。