「年始に大掃除を頼む」という柔軟な考え方も

――年末の大掃除については、「家に感謝する」だとか「新年を気持ちよく迎えるために」といった精神性がついてまわります。そのため、外注するのではなく自分でやることにこだわりを持つ人も少なくないのではないかな、と思うのですが。

梶原:大切なのは「誰がお掃除するか」よりも、「キレイになった空間をつくること」ですよね。忙しくなかなかお掃除できない、つい家事がたまってしまうというお悩みがあれば、プロの手を借り、心地よい空間をつくるのは一つの選択肢だと思います。

また、私たちがお掃除を代行させていただいても、決してご自身でされる家事やお掃除がゼロになるわけではありません(笑)。手がかかるお掃除はプロに任せて、お料理やその後の片付けを気持ちよく行っていただけたら十分に気分もあがるのではないのでしょうか。

――忙しさや時間のなさから「年末の大掃除はしなくてもいい」と考える人は、今後も増えていくのではないかと思います。そのあたりについてはどうお考えですか?

梶原:汚れは蓄積されればされるほど、取れにくくなります。そう考えると、やはり1年に1度はしっかりと汚れを落としておきたいですね。また、大掃除をする時期は年末がいいかと言われると必ずしもそうではなく、油汚れは夏場の方が気温も高いためお掃除しやすかったり、外注だと11月~12月の繁忙期を避けた年明けに頼むとキャンペーンを実施したりしていることもあります。

「掃除は夫ではなく妻がやるべき」「大掃除は自分でやるべき」「年末でないといけない」といった、「こうしなければいけない」という固定概念を捨て、そのご家庭ごとにやすやすい大掃除のやり方を見つけることが大事なのではないでしょうか。

おわりに

毎年仕事納めが過ぎる頃には、年越しに向けて「さあ大掃除をやろう!」というムードが世間一般にも広がります。しかし、大掃除はもちろん、そもそもすべての家事に正解もルールもありません。この時期に大掃除でストレスを抱えがちな人は、さまざまな選択肢や手段を柔軟に捉えてみてもいいのかもしれません。

秋山 悠紀