梶原千左さん(株式会社ダスキン ケアサービス事業本部 メリーメイド事業部長)

家事代行サービス=自分の分身

――それでも「家事代行を頼みたいけど、どうしても積極的になれない」という人はどうしたらいいでしょうか。

梶原:家事全般の依頼は抵抗があるけれども、「キッチンや浴室など、水回りのお掃除だけはプロに頼む!」「半年に一度はお願いする!」と家事の種類や頻度などを割り切ることがおすすめです。

私は共働き世帯にとっての家事代行サービス利用は「ぜいたく」ではなくて、「必要経費」だと思います。

1日24時間、1年365日はすべての人に平等に与えられた時間です。仕事で思い切り力を発揮するためにも、心のゆとりのためにも、子どもと向き合う時間を増やすためにも、家事は人の力を少し借りてもいい。利用したいけれど罪悪感や後ろめたさで悩んでいる人は、そんな風に建設的に考えてみてほしいです。

――私は個人的に、「家事代行を頼む=汚い家を他人に見られる」ことが大きなハードルにもなっています。

梶原:このようなお悩みは時々いただきますね。「頼みたいけど、家の中が散らかっているから頼めない。来てもらうために片付けなくては…」と思い悩んでしまう方は少なくないのでしょう。

しかし、そのようなお客様も一度ご利用いただくと「どうしてもっと早く頼まなかったのかしら!」というお声をいただきます。家事代行はご自身の代わり(分身)のようなもの。その人の生活の中に入っていくのだから、自分自身であり家族の一員です。そう思えば家族に散らかっている家を見られる後ろめたさなんて気にする必要はまったくないのではないでしょうか。