金融庁の審議会の報告書に記されていた内容に端を発する「老後資金2,000万円問題」は、多くの人に衝撃を与えました。

「既に老後に向けての準備はバッチリ」という人であれば問題はないでしょうが、なかなか給与が上がらない昨今の情勢では、老後のお金を思うように貯められていないという人も多いのではないでしょうか。

貯金をしなければいけないということは分かっていても、食費・通信費・固定費など毎月の必要経費を支払っていけば、手元に残るお金はごくわずか。2,000万円という金額を貯めることなど、夢のまた夢のように思われるかもしれません。

普段の生活の中では、つい目をそらしがちな問題ですが、多くの人が休暇に入り、家族で過ごす時間も多くなる年末年始。将来のことを考えるにはとても良い機会なのではないでしょうか。

そこで今回は、貯金を行うために気を付けるべき基本中の基本を、あらためて見ていきたいと思います。

預貯金額は年々減少傾向

金融広報中央委員会の「平成31年(2019年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、二人以上世帯での預貯金の平均保有額は、2017年度調査での623万円、2018年度調査での517万円に対して、2019年度調査では487万円となっています。

また、同調査のデータからは、二人以上世帯の平均預貯金額が500万円未満になるのが、直近10年間で初めてであることも読み取れ、預貯金額が年々減少傾向にあることが分かります。