理由1:ファンドマネジャーが以前ほど稼げなくなった
ファンドマネジャーの給料の原資は運用管理費用です。かつては運用資産残高の年間1〜2%を受け取っていたわけですが、この料率が年々漸減してきています(下の図表1参照)。
対インデックス比で大幅な超過収益を上げ続けられればいいですが、人間でもコンピューターでも毎年継続してより高い収益を上げ続けるのは困難であることは自明です。
理由2:相場環境が変化した
有名ファンドマネジャーを輩出した1980年代から90年代まではグローバルな投資環境が整っておらず、各国国内の個別事情で相場が形成されていました。日本株も米国株とは逆相関の相場をみせていたのがバブル崩壊までの1980年代です。
一方、米国は湾岸戦争やITバブル崩壊、リーマンショックを経験しましたが、いち早く相場が回復するとともにフィンテックが台頭してきました。この影響で、運用戦略がアクティブからETF・インデックスへ進化したという相場環境の変化があります。
理由3:投資対象選択の理由が問われるようになった
説明責任とかアカウンタビリティという言葉が広まってきたのは2000年以降です。特に、大口の投資を行う機関投資家(年金、企業など)は、株主やステークホルダーに「なぜそのファンドを選んだのか」を大いに問われる時代になってきました。
“なんとなくそのファンドがよさそうだったから”とか、“ファンドマネジャーの人柄が良かったから”などという定性評価は脇に置かれ、定量的なロジックや選択理由が問われるようになったのです。
SRI投資(SRI:Socially responsible investment、社会的責任投資)とかESG投資(ESG:Environment=環境、Social=社会、Governance=ガバナンス)などが台頭してきたのもこの時期になります。勘で勝負の時代は終わり、ロジックや理屈が必要で、かつ大衆受けしないと生き残れない時代になってきたのです。