この記事の読みどころ

  •  子供の教育は親にとって悩ましい問題です。
  •  我が子にはできるだけ「良い教育」をしたいと思うのは親心ですが、それには当然、お金がかかります。
  •  そこで今回は、子供にかける教育費と幸せの関係について、考えてみました。

子を持つ親であれば必ず、教育とお金の問題に直面します。私は北海道の田舎育ちであり、私立校どころか塾にも行っていなかったのですが、周囲では私立の高校や中高一貫、小学校のお受験と教育についての様々な意見が飛び交います。そこで今回は、教育にかかるお金に関するデータを見ながら、教育に関する私の考え方を書いていきます。

公立と私立でかかるお金

文部科学省「子供の学習費調査(2012年度)」によれば、1年間にかかる学習費総額(いずれも最終学年、塾や家庭教師の費用を含む)の平均は、小学校は公立で39万円、私立で155万円。中学校は公立で50万円、私立で120万円。高校は公立33万円、私立88万円となっています。

大学の教育費は、こちらは4年間のトータルで(同様に文部科学省のデータより)、国立243万円、私立文系386万円、私立理系519万円、私立医歯系2,281万円(!! 6年間ですが)とのこと。データが少し古いので、今はさらに値上がりしましたかね。公立から国立で現役合格した私は、なんて親孝行だったのでしょう。もっとも、最後は留年しましたが・・・。

とまあ、全て国公立でも一人800万円くらい、私立や医学部に行かせた場合は目もくらむような大金が、教育という美しい名目のもと、かかってくるわけですよ。このことを良く理解せずに、十分な収入がないのに見栄を張って私立の小学校に行かせてしまうようなことがあれば、それは大変なことになります。どこかで必ず息切れし、家計は崩壊することでしょう。

教育はパフォーマンスの良い投資である

私は若いころ、誰かに「もっとも割安に放置されている投資案件、それはあなた自身です」と言われて衝撃を受けたことがありますが、これは一利あります。株よりも、不動産よりも、自分に投資をするのが最も効率が良いことは事実でしょう。特に若いうちに勉強をすれば結果が伴う確率も高く、長期的に回収できるので結局は金銭面でも報われますから。

ところが、子供が大きくなってくると悲しいかな、サラリーマンのお父さんの将来は見えてきます。そうすると、「自分に投資するよりも、将来のある子供に教育投資をした方がいいよな」と思うようになるみたいなんです。他はどうかわかりませんが、私が所属していた金融業界ではこれは、割と一般的な考え方でした。

私立に入れたり、塾に通わせたりして一見とてつもない金額がかかるように思えますが、投資と考えたら悪くないかな、と。子供が良い所に就職できれば1千万や2千万はすぐに回収できるのだから、子供の幸せのために自分は犠牲になってでも頑張ろうか、と考えるのです。何だか悲しいですが、合理的な考え方とも言えるかもしれません。

公立は荒れているので、私立に行かせたい