日本企業が「地産地消」を目指している、という話も聞きます。輸送コスト等も関係するのでしょうが、現地のニーズに敏感に対応できる生産体制、ということもありそうです。もちろん、為替レートに影響されにくい企業収益体質と生産体制の安定、ということも大きいのでしょう。
そうなると、「どうしても日本で作って輸出する必要があるもの」だけを輸出することになり、輸出数量が為替レートによって変化しない、ということになるわけですね。
「円安ならば輸出数量を増やそう」と考えて生産ラインを組み替えたら、円高になって輸出が困難になった、といった過去がトラウマになっている可能性もあります。
バブル崩壊後の長期低迷期、日本経済は回復の兆しに期待しながら裏切られることの連続だったので、「どうせ良いことは長くは続かない」といった「デフレマインド」が企業経営者に蔓延しているからです。
そうであれば、その部分は時間と共に緩んでいく可能性はあります。もっとも、アベノミクスで円安になってから7年も経つのに輸出が増えていないのですから、今後についても過大な期待は禁物ですが。
輸入が減らないのは不思議だが
輸出企業の戦略は上記のようなものだとしても、海外からのバイヤーが日本に買い付けにくれば、円安で安く買えるようになった物を大量に買って帰ることが考えられます。また、日本人消費者が高くなった海外製品を敬遠して国産品を愛用するようになる、という効果もあるはずです。