確かに、65歳など一定年齢に達すると多くの人は(退職金とは別に)年金を受給できます。しかし、ある程度の余裕がある老後生活を過ごすためには、それだけでは十分でないことは、今年話題になった「老後の2,000万円不足問題」を持ち出すまでもなく明らかではないでしょうか。

しかし、世の中には、そうした退職金を目当てにするビジネスが数多くあります。ビジネスということは、相手が利益獲得を目的にしていることであり、言い換えれば、重要な退職金が“標的”とされていることを意味します。そう、冒頭に記したサケの卵のように狙われているのです。

その1つが、金融機関(主に信託銀行やメガバンク等)の“退職者向け特別プラン”という類の金融商品です。これは、支払調書などで退職金であることが証明された資金に対し、優遇金利や無料相談などを提供し、預入に結び付けるサービスを指します。

3カ月定期預金が税引前7.05%! 大盤振る舞いの「退職金特別プラン」

それでは、その商品(サービス)を具体的に見てみましょう。

実例として、M信託銀行が提供するその商品は「退職金特別プラン~退職者とそのご家族限定」というネット広告で、様々なところで見ることができます。そこからM信託銀行のHPにアクセスすると、「定期預金コース」と「投資運用コース」の2つが紹介されます。以下、見出しの抜粋です。

  • 定期預金コース:スーパー定期3カ月 最大年1.05%、新型定期預金3年 最大年0.28%
  • 投資運用コース:スーパー定期3カ月 <運用50タイプ>最大年7.05%、<運用20タイプ>最大年2.85%

この中で断トツに目を引くのが、何と言っても投資運用コースの「スーパー定期3カ月 <運用50タイプ>最大年7.05%」でしょう。3カ月限定とはいえ、7.05%(税引後5.617%)です!