株式市場の振り返り-日経平均株価は3日続落、一時▲422円安もその後は下げ渋る

2019年11月21日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 23,038円(▲109円、▲0.5%) 3日続落
  • TOPIX 1,689.3(▲1.7、▲0.1%) 3日続落
  • 東証マザーズ株価指数 879.7(▲0.9、▲0.1%) 5日ぶり反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,009、値下がり銘柄数:1,031、変わらず:114
  • 値上がり業種数:15、値下がり業種数:18
  • 年初来高値更新銘柄数:61、年初来安値更新銘柄数:14

東証1部の出来高は13億4,257万株、売買代金は2兆3,406億円(概算)となりました。出来高は概ね前日並みでしたが、売買代金は小幅増加となっています。前夜に米国株が続落となり、米中貿易摩擦問題に対する懸念が再び高まったことで、リスクオフモードが継続されました。ただ、取引時間中に大幅下落した銘柄を拾う動きも見られ、結果的に売買代金は小幅増加となったようです。

そのような中、日経平均株価は終日マイナス圏で推移しました。寄り付き直後は小幅安の推移でしたが、前場の序盤から下げ幅を一気に拡大し、前場の半ばに一時▲422円安まで売り込まれる場面が見られました。ところが、前場の終盤から下げ幅を縮小し始め、後場もその動きが続いたまま引けています。さすがにプラス圏へ浮上することはなく、3日続落で終わりましたが、後場の下げ渋りが目立ったと言えましょう。

ちなみに、日経平均株価が3日続落となるのは、8月2日~7日に記録した4日続落以来、実に3カ月半ぶりのことです。

なお、TOPIXも同じような値動きで3日続落となりましたが、わずかな下落に止めました。終値で1,700ポイント回復はなりませんでしたが、日経平均株価以上に底堅さが際立った展開だったようです。

東証マザーズ株価指数は5日ぶり反落、売買代金は72日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は4,888万株、売買代金763億円となり、いずれも前日より増加しました。前日よりは増えたものの、依然として個人投資家の物色意欲が減退しており、売買代金は72日連続の1,000億円割れとなっています。

また、株価指数もわずかに下落したまま終わっており、5日ぶりの反落となりました。ジリジリと900ポイントに近づいていますが、今後は個人投資家の投資マインド回復次第と言えそうです。

ソフトバンクGが一時大幅下落、融資帳消し報道のスルガ銀行も一時▲6%安に迫る急落

個別銘柄では、メガバンクからの緊急融資報道が流れたソフトバンクグループ(9984)が一時▲3%安に迫る大幅下落となり、ファミリーマート(8028)も大きく値を下げました。

また、半導体関連株を中心にハイテク株が売りに押され、東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)、SCREENホールディングス(7735)などが急落しています。

その他では、一連のシェアハウス過剰融資問題に関して、融資帳消し(物件の放棄が条件)の方策が報道されたスルガ銀行(8358)が一時▲6%安に迫る急落となり、終値も大幅安となったのが目を引きました。

一方、売りが優勢だったハイテク株では、富士通(6702)が連日で年初来高値を更新し、HOYA(7741)も再び年初来高値を付けました。

また、中外製薬(4519)は取引時間中に連日で上場来高値を記録しましたが、その後は売られて下落しています。

新興市場(東証マザーズ)では、手間いらず(2477)が大幅高で連日の年初来高値更新となり、ブシロード(7803)も前日に続き高値を付けました。一方、アンジェス(4563)が大幅下落となり、ユーザベース(3966)も値を下げて引けています。

葛西 裕一