近所で子供がワイワイ騒いでいる声や、楽しそうに遊んでいる音は、ほほえましいと感じますか? それとも「もう少し近隣に配慮してほしい」と思いますか?
保育園などを新たにつくる計画が、近隣住民からの「園児の声がうるさい」といった訴えにより、延期あるいは断念されるケースも増えている現在。あるつぶやきが話題になり、ネット上で大きな議論を呼びました。
Twitterでメンメさん(@mememmememme)が「子供の頃ずっと遊んでたグラウンド、今はこんなの貼ってあんの。で、子供ひとりもいねぇの。だからこの町はダメなんだよなって思った」とつぶやきながらアップした画像には、とある公団住宅の近くの公園に横断幕が貼られている様子が写っていました。そこには次のようなことが書かれています。
「お年寄りや体の弱っている方々は、金あみに野球やサッカーボールのあたる音が大変苦痛に感じます。これらの球技は絶対にやめてください。人の痛みの分かる人になりましょう」
このツイートは2019年11月23日の夕方時点で4万7000回以上リツイートされ、10万を超える「いいね」がつきました。この記事では、上記のツイートを中心に、「子供の騒音」についてのさまざまな意見を紹介します。
「何のために金網ついてんの?」
ネット上では、このツイート主の訴えに賛同して、子供たちを擁護する声が多数寄せられました。
「そのお年寄りだって昔は子供だったのに…」
「子供の頃公園でボールを使った遊びをした事が無い奴だけが文句を言え」
「球技ダメなら何のために金網ついてんの?」
「野球やサッカーで遊びたい子供達は、老人や体の弱っている方々からの不平不満のために、遊び場を奪われています。自分本位な不平不満は絶対にやめてください。痛みの分かる人になりましょう」
自分たちも子供だった時代があるからこそ、多少は子供が騒がしくても、受け入れるべきではないかという人が多く見られました。
「静かに暮らしたければ、公団住宅じゃなくて誰もいない田舎に住めばいいのに」「学校の運動会に『うるさい』ってケチつける老人と同じ構図」といった意見もあります。もちろん、騒音が嫌だからといってそう簡単に引っ越せるものではありませんが、確かに都会のほうが建物が密集しているため、田舎よりも騒音が余計に気になるのかもしれません。
近隣住民の気持ちに同意する意見
しかし、このように子供に同情する意見が多い中で、騒音被害に悩んでいる近隣住民の気持ちに寄り添う声も、少なからず寄せられています。
「子供の遊びは球技だけじゃない」
「それくらい我慢しろって言うやつのほとんどは、こういう広場の近くに住んでないでしょ」
「自分が歳を取った時にブーメランにならなきゃいいけどね。難聴になった時の補聴器の聞こえ方とか、クリアに聞こえるわけじゃないんだぞ」
「近所付き合いが減ってるからそりゃそうなるよ。近所の子供に挨拶でも不審者だしな」
補聴器の聞こえ方などは、実際に使っている人でなくてはわからない深い悩みだといえます。そのほかにも「子供の声はいいけどボールのガシャーンって音は嫌」という意見もありました。これは金網をネットにすれば解決できそうですが、今度は耐久性など別の問題も出てくるかもしれません。ともあれ、こうしたところで工夫の余地はありそうです。
子供叱るな来た道だ
少子高齢化が進んだ現在、どちらかといえば、マジョリティーであるお年寄りの声のほうが優先されることが多いのではないでしょうか。一方で、子供が少ないからこそ、その子供たちがのびのびと暮らせるように、暖かく見守る姿勢も大切なのかもしれません。
「子供叱るな来た道だ。老人笑うな行く道だ」
一度はみんな聞いたことがあるこの言葉。「子供のいたずらなどは誰しも身に覚えがあるはずだから叱るべきではないし、自分もいずれ歳を取るのだから老人を笑い者にすべきではない」という意味です。
老人を笑い物にするというのは、今回の話題からは少し外れているかもしれませんが、「子供は自分たちがこれまで来た道であり、老人はこれから行く道である」という考えは、頭の片隅に置いておきたいところです。すぐに解決策が出るような簡単な問題ではないものの、子供もお年寄りも、お互いに気持ちよく過ごせるよう配慮していきたいものですね。
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