最近の若者、とりわけ新卒で入社してくるような年齢の人は、私たちの常識や「当たり前」とは全く異なった価値観を持っています。一時はバイト先のイタズラSNSが拡散されたり、さとり世代などと揶揄されたこともありましたが、私たちが彼らから学ぶことも実はたくさんあるようです。

今回は、今の若者たちが感じる会社への違和感について、新卒から3年目までの若者に聞いてみました。

もはや残業は美学でも努力でも何でもない

IT企業に勤務する3年目のAさんは、「残業なんて効率の悪さを露呈しているようなもの」と鼻で笑います。「元々終業時刻が決まっていて、稼働時間は8時間とわかっているのになぜ残業するのかわからない。8時間とわかっていてその中で仕事を終わらせられないのはただの無能」と強気です。Aさん曰く、「時間内に仕事が終わらない人ほど成果が出ていないことが多い」のだとか。

確かにAさんの言うことはある意味もっともですよね。就業時間が決まっているのに、その時間内でこなせないようであれば仕事の再配分を上長に申し出るべきかもしれません。

「でも、他に任せられる相手がいないこともあるのでは?」という筆者の質問に対しても、「そんな事態になっていることを上長に伝えていないことのほうが問題。伝えているのに動いてくれないなら、さらに業務量の調整を依頼すべき。調整力の問題では」と返されてしまいました。

残業と言うのは、今の若い世代にとってはただの無駄。「残業代をもらうために効率悪く仕事をしているだけ、みっともない」というふうに映るのだと言います。

「残業代をもらわないとやっていけないようじゃダメ。いい生活をしたいならいい会社に入るべきだし、生活水準と自分の実力が見合っていないのもダメなんじゃない」とバッサリ切られてしまいました。Aさんの言う通りにすべての物事が進むわけではないでしょうが、効率を重視する若い世代の価値観をこの先は私たちも無視することはできないでしょう。

意味のない年上崇拝やデキない人への忖度

金融機関で働く社会人2年目のBさんは、「デキない人への忖度が意味不明」と愚痴を漏らします。

Bさん曰く、「デキない人に対して腫れ物みたいに扱うのは意味が分からない。仕事ができないなら、あなたはあなたの職位に見合った仕事ができていないよときちんと伝えるべき。じゃないと、いつまで経ってもデキない人は求められている仕事とできている仕事の差分を盗んでいる給与泥棒のようなものだし、日本人のはっきり言わない文化は優秀な人の不満を生んでいる」と言います。

また、「年上に対する敬意は必要かもしれないけれど、会社にとってそんなことは不要。たとえば、プロジェクトのメンバーではリーダーかそうでないかは重要だし求められる役割は異なるけれど、リーダー以外のメンバーはみんな同列なはず。それなのに年上だからと言って幅を利かせられても困る。そんなことやっている暇があるなら仕事してほしい」と言います。

確かに、仕事がデキない人に気を遣って腫れ物扱いになるパターンは結構ありがちです。「年齢だけで偉そうな顔をされても…」と思ったこと、社会人ならだれでも一度はあるかもしれませんね。

副業を解禁できないのは会社の自信のなさに見える