夫婦間のけんかや言い争いが、子どもの発育に悪影響を及ぼすことは有名な話。「自分がいなければいい」と自己肯定できなくなってしまったり、自分の感情をコントロールできなくなったり、はたまた体調を崩してしまう子どもさえいるそうです。

たとえまだ言葉がわからない赤ちゃんだとしても、その場の空気や親の機嫌を敏感に受け止めるので油断はできません。どんな年齢だとしても子どもの前で夫婦げんかをすることは、まさに百害あって一利なしなのです。

ただ、「子どもの前で夫婦げんかはダメ!」と頭でわかっていても、なかなかうまくいかないケースもあるでしょう。今回は、夫婦げんかにまつわる筆者の経験談をお話します。

たった一度の夫婦げんかが子どもに与えてしまった恐怖

それは数カ月前、筆者の子どもが生後10カ月頃のこと。筆者夫婦は初めて、子どもの目の前で割と大きな夫婦げんかをしてしまいました。きっかけは些細なこと。普段から食べ終わった食器洗いも自分の洗濯物の取り込みもしないような、家事育児をほとんどしない夫に対しての「共働きなんだからもっと当事者意識をもって家事育児やってよ」という筆者の感情が爆発。口調も次第にキツくなっていきました。

夫も最初は黙って「わかってる。ごめん」と返していたものの、筆者の止まらない言葉にふつふつと怒りがこみ上げてきているのがわかりました。気付いた時にはお互いの感情がヒートアップ。すると、同じ部屋にいた子どもが一気に泣き出しました。その表情は強い恐怖で怯えており、これまでに見たことのないほどの激しいギャン泣きをさせてしまいました。

子どもの泣く様子を見て夫とお互いにハッとしたものの、時すでに遅し。「ごめんね、大丈夫だよ」と言いながら抱っこしても、なかなか泣き止まず、その日は普段ほとんどしない夜泣きも激しく続きました。筆者は「やってしまった」と強く後悔しつつ、まだ1歳未満の子どもでも、夫婦げんかがこんなにも影響してしまうのかと驚きました。

しかし、驚いたのはそれだけではありません。子どもはそれ以来、ドラマで役者が怒っているシーンを見ると、「ふえっ、ふえっ」と今にも泣き出しそうにグズりだすようになったのです。後に笑いが生まれたとしても、バラエティ番組でお笑い芸人が激しくツッコむ様子もたまに怖がるように。夫婦げんかを見てしまったことで、怒りを表現したり大きな声を出したりする大人に対する恐怖が植え付けられてしまったのでしょう。

一連の出来事によって、筆者は「もう夫婦間の些細な言い争いもしてはダメだ」と猛反省。そして今まで以上に、「お父さんとお母さんは仲良しだよ」「あなたのことが大好きだからね」と、言葉や行動でちゃんと夫婦仲の良さや愛情表現を伝えるように気をつけようと肝に銘じました。

気持ちを代弁してくれるネット記事や掲示板が役に立った

しかしそうは言っても人間なので、日々のストレスや忙しさから夫への不満が爆発しそうになることもあります。あの夫婦げんかから現在にいたる約半年の間も、何度も夫婦げんかスレスレの瞬間が訪れました。しかし、なんとかけんかにならずに済んでいます。それは、いくつか試した夫婦げんか回避術が効いたからかもしれません。