6. 夫が70歳まで繰り下げると、待機中の5年分の加給年金は受け取れない

老齢年金は、65歳で受け取らずに繰り下げると増額されます。ただし、加給年金には繰下げの増額がありません。加給年金を受け取れる年齢差のある夫婦ほど、繰下げを選ぶときに比べておきたい点です。

6.1 繰下げ待機期間中は加給年金を受け取れない

日本年金機構によると、加給年金額や振替加算額は繰下げによる増額の対象にならず、繰下げ待機期間(年金を受け取っていない期間)中は受け取ることができません。今の額で計算すると、70歳まで繰り下げた場合、65歳から70歳までの5年分にあたる211万8500円を受け取れないことになります。

6.2 70歳まで繰り下げると増額率は42%

繰下げの増額率は、65歳になった月から繰下げを申し出た月の前月までの月数に0.7%をかけた率で、最大84%です。70歳まで繰り下げると60カ月で42%になり、老齢基礎年金の満額の年84万7300円なら年35万5866円増えます。

  • 66歳まで繰り下げた場合:増額率8.4%、待機中に受け取れない加給年金は今の額で42万3700円
  • 70歳まで繰り下げた場合:増額率42%、待機中に受け取れない加給年金は今の額で211万8500円

老齢厚生年金も同じ率で増えるため、実際の比較は夫の年金額によって変わります。何歳まで受け取るかによっても損得は変わるので、年金事務所で見込額を確かめてから決めましょう。

7. 子の加給年金は今は1人目・2人目が各24万3800円。夫が65歳のとき18歳の年度末までの子が対象

加給年金は配偶者だけでなく、子がいる場合にもつきます。ただし、子の年齢に条件があります。

7.1 子の加給年金は18歳になった年度の3月31日まで

日本年金機構によると、子の加給年金は、18歳になった年度の末日までの子、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子が対象です。2026年4月からの額は次のとおりです。

  • 1人目・2人目の子:各24万3800円
  • 3人目以降の子:各8万1300円

2028年4月からは、先に見たとおり、こども1人あたり28万1700円(2024年度価格)に見直されます。

7.2 夫が65歳のときに子が18歳を過ぎていれば対象外

しんのすけは5歳、ひまわりは0歳と紹介されています。ひろしが65歳になるとき、2人はそれぞれ35歳と30歳なので、子の加給年金は対象になりません。子の加給年金がつくのは、夫が65歳になる時点で18歳の年度末までの子がいる家庭です。