月次数字に異変が生じたのは8月

しかし8月は既存店のみならず、遂に全店売上も対前年同月比マイナスに転じ、9月もマイナス成長が継続しました。よって月次の数字からは、同社の成長モデルが第3四半期(Q3)で機能を停止していたことが分かります。

このように、上場外食企業などでは、月次数字を追いかけることで決算発表に先立ち数字の変化を捉えることができる場合があります。その典型例が今回の「いきなり!ステーキ」とも言えるでしょう。

なお、第4四半期初めの10月は対前年同月比で全店売上80.1%、既存店売上58.6%。両者ともに数字はさらなる下落を見せており、スタートから苦戦の様相となっています。

通期ではさらに低下が見込まれる自己資本比率

同社はQ3決算発時に44店の撤退も発表しました。その結果、店舗撤退費用等によりQ3は▲19億円の当期純利益の赤字となり、純資産合計は14億円、自己資本比率は4.8%にまで下落しました。

また通期では最終赤字が▲25億円まで拡大することを予想しており、増資を行わなければ自己資本比率のさらなる低下が確実です。成長から一転、ペッパーフードサービスの経営はいきなり厳しい状態に陥ることになりました。