6. 【FPの視点】障害者控除は相続税にもあり、40歳の人なら(85歳−40歳)×10万円=450万円

障がいのある方への税の配慮は、所得税だけではありません。将来の相続を考えるご家族は、相続税の障害者控除も知っておくと備えやすくなります。

6.1 計算式は「85歳になるまでの年数×10万円」

国税庁のタックスアンサー「障害者の税額控除」によると、相続人が85歳未満の障害者のときは、相続税の額から一定の金額を差し引きます。一般障害者は満85歳になるまでの年数1年につき10万円、特別障害者は1年につき20万円です。1年未満の期間は切り上げて1年として計算します。LIMO編集部で計算した例は次のとおりです。

  • 40歳の一般障害者:(85歳−40歳)×10万円=450万円
  • 40歳の特別障害者:(85歳−40歳)×20万円=900万円

控除しきれない部分は、扶養義務者の相続税額から差し引くことができます。対象になるには、相続や遺贈で財産を取得したときに障害者であることや、法定相続人であることなどの要件があります。

7. 【落とし穴】所得が62万円を超える19歳以上23歳未満の家族は扶養親族に当たらず、住民税の非課税は合計所得135万円以下が目安

年末調整の申告書は、家族ごとに記入する欄が分かれています。国税庁は、19歳以上23歳未満で合計所得金額が62万円を超え123万円以下の「特定親族」は、扶養控除や障害者控除の対象となる扶養親族には該当しないとして、勤務先に注意を呼びかけています。家族の所得や年齢によって扱いが変わるため、記入前に確かめておきましょう。

また、東京都主税局によると、障害者で前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は年収204万4000円未満)の人は、個人住民税が非課税になります。所得税と住民税では、基準が異なる点にも注意が必要です。

8. まとめにかえて

障害者控除は、障がいのある方やそのご家族の税の負担を軽くするための制度です。所得税の控除額は、障害者が27万円、特別障害者が40万円、同居特別障害者が75万円で、年末調整では扶養控除等(異動)申告書で申告します。

年の途中で手帳を受け取った方や、ご家族が新たに手帳を受け取った方は、年末調整までに勤務先へ申告できているかを確かめておきましょう。利用できる支援や手続きは、制度や地域によって異なります。詳しくは勤務先の担当部署や税務署、お住まいの自治体の窓口で確認してください。

※試算は、記事内に記載した条件をもとにした概算です。実際の税額は、所得や他の控除、家族構成などによって異なります。

※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

参考資料

村岸 理美