2. 日数と期限:最大20日。使える期間は、発生した日から2年
2.1 継続して勤めた年数に応じて増え、20日が上限
厚生労働省の解説では、6か月続けて勤め、全労働日の8割以上出勤した人には、10労働日の有給休暇が与えられます。
1年6か月以上続けて勤めた人には、2年6か月まで1年ごとに1日、3年6か月からは1年ごとに2日が加わります。上限は20日です。
ただし、前の年の出勤率が8割以上であることが、条件です。週の勤務日が少ない人は、日数が比例して少なくなります。
2.2 発生した日から2年間は使える。年度が変わっても、権利は消えない
有給休暇は、労働基準法第115条により、2年で時効にかかると解されています。発生した日から2年間は使えます。
就業規則に、翌年度に繰り越せないと書かれていても、年度が過ぎたあとの権利は消えないとされています。
ただし、退職日をもって、有給休暇の権利はなくなります。
3. 会社の打診:退職日を遅らせてほしいと頼まれても、応じるかどうかは自分で決める
3.1 厚生労働省は、応じるか否かは「労働者に委ねられる」としている
厚生労働省の解説には、会社が業務の引き継ぎなどを必要とするとき、退職日を遅らせる打診をすることがある、と書かれています。
これに応じるかどうかは、労働者に委ねられています。
応じなければ、退職日を遅らせる必要はありません。有給休暇を使い切れる日数は、退職日までの労働日が上限です。
3.2 時季変更権が使えるかは、事業場ごとに個別に判断される
厚生労働省の解説は、「事業の正常な運営を妨げる」かどうかを、その事業場を基準に、個別に、具体的に、客観的に判断するとしています。
年末などの特に忙しい時季は、厚生労働省が妨げになる例として挙げています。使えるかどうかは、事業場ごとに判断されます。
ここからは、会社と話すときと、相談先を見ていきます。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
元・厚生労働省担当記者(社会保障専門紙)
中央大学法学部を卒業後、東証プライム上場IT企業での法人営業を経て、厚生労働省記者クラブに所属する行政・自治体向けの社会保障専門紙記者として活動。
現在は「公的社会保障制度(年金・医療・介護)」の仕組みと、「私的資産形成(NISA・iDeCo)」の税制優遇制度を横断的に分析し、生活者のための家計防衛術を提供する編集者として活動している。
各省庁が公表する難解な一次情報(e-Gov法令検索の条文データや、総務省統計局の家計調査など)を読み解き、現役世代からシニア層までを対象に、事実に基づいた実用的な解説記事を継続的に執筆している。
このほか、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも情報を発信している。
【経歴・専門性】
前職の専門紙記者時代には、厚生労働省本省および各地方自治体(保険者)を直接取材対象とし、現場の最前線で以下の重要政策の決定プロセスと一次情報に触れてきた。
これらの政策取材を通じ、「制度の複雑化が引き起こす、生活者のサイレントな不利益(申請漏れや制度の不知による経済的損失)」の構造を実務レベルで把握。役所の論理で構築された難解な制度設計を、IT企業時代に培ったデータ分析手法と掛け合わせることで、客観的指標(平均値ではなく中央値を用いた実態把握など)に基づく解説記事を執筆している。
【具体的な実績・保有資格・メディア掲載歴】
公的機関の一次データに依拠した客観的な記事執筆により、Yahoo!ニュース「経済ランキング」において多数の1位を獲得。具体的な執筆・担当領域における実績は以下の通りである。
- 公的年金・給付金領域:日本年金機構の公表資料に基づく「在職老齢年金による支給停止基準」や「年金生活者支援給付金の受給要件」の解説。また、国税庁のガイドラインに沿った定額減税や各種給付金の対象者判定フローの実務的整理。
- 医療・介護保険領域:高額療養費制度などの自己負担限度額の算出方法や、公的保障のセーフティネット範囲の図解解説。
- 資産運用領域:金融庁のNISA特設サイトや、iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)のデータに基づく税制優遇メリットの数値化。特定の金融商品の購入推奨は行わず、公的年金の不足分を補うための長期積立投資の制度整理に特化。
- 貯蓄・家計管理領域:家計調査などの官公庁統計データに基づいた、年代別・世帯年収別の貯蓄実態の論理的解説、およびインフレ時代におけるリスク管理手法の情報提供。
- 保有資格・実務知見:東京商工会議所 ビジネスマネジャー検定試験®合格。上場企業での実務経験と当資格で培った「組織マネジメント」や「コンプライアンス・リスク管理」の視点を個人の家計防衛に転用し、ビジネスパーソンが納得できる論理的な解説の裏付けとしている。
【読者へ提供する価値と発信理念】
「役所の論理ではなく、生活者の視点で制度を翻訳する」ことを発信の基本理念としている。
複雑怪奇な社会保障制度においては、制度を知らないこと自体が直接的な経済的損失に直結する。この情報非対称性を是正し、「知っていれば救われたはずの人が損をする現状をゼロにする」ことが現在の活動における最大のミッションである。
そのため、記事執筆にあたっては個人の主観や推測、投資推奨は避ける。
そのうえで、読者の生活や資産に影響を与える領域であることを自覚し、読者が「国に頼りすぎず、国を賢く利用する」ための正確で安全な判断材料を提供し、生活者とその家族を守るための実用的な知見を届け続けている。