7. 【編集部の見立て】子のいない夫婦は、元気なうちに遺言と配偶者居住権の話をしておく
ここからは、民法や法務省の文書にある事実ではなく、編集部の見立てです。
子どものいない夫婦は、元気なうちに、遺言と配偶者居住権について夫婦で話しておくのがよいと考えます。
理由は、法定相続分どおりに分けると、自宅だけで妻の分が使い切られ、預貯金が残らない場合があるためです。
また、法務省は、令和2年4月1日より前にされた遺言では配偶者居住権を設定できない、と案内しています。古い遺言がある人は、中身を見直す必要があります。
8. 【確認したいこと】話し合う前に、3つを確かめる
- 夫の両親が健在か、兄弟姉妹が何人いるか、先に亡くなっている兄弟姉妹がいるか
- 自宅の評価額と、預貯金などの財産の合計。法定相続分で分けたとき、妻の分に預貯金が残るか
- 遺言があるか。あるなら、書かれた日が令和2年4月1日より前でないか
9. まとめ
子どもも親もいない夫が亡くなると、妻と夫の兄弟姉妹が相続人になります。法定相続分は、妻4分の3、兄弟姉妹4分の1です。
自宅が財産の大半だと、妻の預貯金が残らないことがあります。
配偶者居住権や遺言を使うと、自宅に住み続けながら、預貯金を残す選択肢が広がります。
遺産分割や遺言、相続税について気になる人は、法務局、税務署、弁護士や税理士などの専門家に聞いてみてください。
※本記事は、編集部が法務省・国税庁などの公表する公式の一次資料を確認の上、執筆・検証しています。
参考資料
- e-Gov法令検索『民法』(第889条・第890条・第900条・第1028条・第1042条)
- 法務省『残された配偶者の居住権を保護するための方策が新設されます。』
- 国税庁『No.4152 相続税の計算』
- 国税庁『No.4157 相続税額の2割加算』
齊藤 慧