3. 兄弟姉妹が先に亡くなっていれば、その子(甥・姪)が代わって相続人になる

民法第889条第2項は、第887条第2項を準用しています。準用とは、ほかの条文の決まりを、同じように当てはめることです。

兄弟姉妹が、相続開始以前に亡くなっているときは、その子が代わって相続人になります。

欠格や廃除(相続の資格を失う制度)で相続権を失っているときも、同じです。

子の場合にある、さらにその子が代わる再代襲(第887条第3項)は、準用されていません。

4. 自宅に住み続けるなら「配偶者居住権」。所有権より低い価額で居住権を確保でき、預貯金も取得しやすくなる

4.1 配偶者居住権は、賃料の負担なく、その建物に住み続けられる権利

配偶者居住権は、民法第1028条が定める権利です。

亡くなった方の建物に、相続開始のときに住んでいた配偶者が、遺産分割や遺贈(遺言で財産を渡すこと)によって取得します。

法務省の解説では、賃料の負担なく、その建物に住み続けられる権利とされています。

4.2 対象は夫名義か夫婦共有の建物。兄弟姉妹などとの共有は取得できない

対象になるのは、夫の名義の建物か、夫婦で共有する建物です。

夫が、兄弟姉妹など配偶者以外の人と共有していた場合は、取得できません。

4.3 譲渡や無断の貸し出しはできない。その分、所有権より低い価額になる

配偶者居住権は、第三者に譲渡したり、所有者に無断で建物を貸したりはできません。

その分、建物の所有権を取るより低い価額で、居住権を確保できます。

預貯金などのほかの遺産を、より多く取得できるメリットがある、と法務省は説明しています。

4.4 居住権は、遺言か遺産分割協議で取得する。登記は早めに

法務省によると、配偶者居住権は、亡くなった方の遺言か、相続人どうしの話合い(遺産分割協議)で取得します。

協議が調わないときは、家庭裁判所に遺産分割の審判を申し立てる方法があります。

取得したら、第三者に主張できるようにするため、できるだけ早く登記の手続きをするよう案内されています。登記は、権利を公に記録する手続きです。

夫の死亡後、妻が最低でも6か月間は、無償で住み慣れた住まいに住み続けられる「配偶者短期居住権」も設けられています。

ここからは、兄弟姉妹の遺留分と遺言、相続税の見方を見ていきます。