親の入院が続いたうえに介護サービスの利用も始まり、1年の自己負担が思いのほか膨らんだという家庭は珍しくありません。

厚生労働省が2026年10月に公表した「介護保険事業状況報告(暫定)」(令和8年7月分)によると、7月末時点の要介護(要支援)認定者は745.0万人で、65歳以上では第1号被保険者の20.4%です。

医療と介護の自己負担を1年間で合算し、上限額を超えた分が戻る「高額医療・高額介護合算療養費制度」があります。

月ごとの上限額を定めた高額療養費とは別に、年単位で負担を見る仕組みです。申請をしないと支給されません。本記事では、年間上限額と申請の流れ、時効の考え方を整理します。

月ごとの上限額については、別記事「【高額療養費】70歳未満は1件2万1000円以上のみ合算。令和8年8月から月額上限の見直しと年間上限の新設」で解説しています。

1. そもそも高額医療・高額介護合算療養費制度とは?

この制度は、毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間の医療保険と介護保険の自己負担の合算額が高額な場合に、自己負担を軽減する仕組みです。協会けんぽの案内では、世帯内の同一の医療保険の加入者について合算し、所得区分ごとの限度額を超えた額が支給されます。

高額療養費が月ごとの負担を抑える制度であるのに対し、この制度は、月ごとの軽減を受けてもなお残る負担を年単位で見るものです。医療と介護の1年間の自己負担を合わせ、年間上限額を超えた分が、申請によって支給されます。

協会けんぽや東京都保健医療局の案内によると、合算の対象や期間は次のとおりです。

  • 対象期間は、毎年8月1日から翌年7月31日(基準日は7月31日)です
  • 合算できるのは、世帯内で同じ医療保険に加入している人の自己負担に限られます
  • 70歳未満の医療分は、医療機関ごとなどで2万1000円以上の自己負担だけが対象