3. 共済の期間もない人に絞ると平均は月5万4412円。女性は月5万円未満が4割
概況の同じ表には、さらに条件を絞った数字も載っています。
3.1 公務員などの共済の期間もない人は444万2745人
「基礎のみ共済なし・旧国年(5年年金除く)」は、国民年金だけを受け取る人のうち、公務員などとして共済組合に加入した期間もない人の数字です。令和6年度末時点で444万2745人、平均年金月額は5万4412円でした。
男女別の平均は、男性が5万7309円、女性が5万3746円です。会社員や公務員として働いた期間が一切ない人に絞ると、平均はさらに下がります。
3.2 女性は月5万円未満が月6万円以上を上回る
この444万2745人の分布をもとに割合を計算すると、月6万円以上は41.0%、月5万円未満は38.5%でした。
女性に限ると、月5万円未満が40.0%、月6万円以上が38.9%で、月5万円未満の人のほうが多くなります。男性は月6万円以上が49.9%、月5万円未満が31.9%でした。
4. 【元銀行員の視点】国民年金だけの家計は、預金の取り崩し方を先に決めておく
ここからは、国民年金だけを受け取る家計で、手元のお金をどう扱うかを考えます。
銀行の窓口にいた頃、年金の受取口座の通帳を持って来店される方もいました。「自分の年金が平均と比べてどうなのか」「この金額で生活していけるのか」と不安に感じている方も少なくありませんでした。
一覧表では、月5万円以上7万円未満の人が56.3%と半数を超えています。2か月で振り込まれる額にすると10万円から14万円ほどで、生活費をすべてまかなうのは難しいことがあります。年金で足りない分を預金から引き出すときは、毎月いくらまで取り崩すかを先に決めておくと、残高の減り方が見通しやすくなります。
年金が振り込まれる口座と、取り崩す預金の口座を分けておくのも一案です。通帳を見たときに、年金でまかなえた分と、預金から出した分を区別しやすくなります。
5. 一覧表の平均は「国民年金の部分」だけの金額
厚生年金も受け取っている人の場合、この一覧表の金額だけを見ても、実際に振り込まれる年金の合計にはなりません。国民年金の受給権者全体の平均5万9310円も、国民年金の部分だけを示した金額です。
また、一覧表は令和6年度末時点の数字で、その後の年金額の改定は反映されていません。令和8年度の老齢基礎年金の満額は月7万608円(昭和31年4月1日以前生まれの方は月7万408円)です。
平均より少ないからといって、すぐに不安になる必要はありません。年金振込通知書で実際の振込額を確かめ、毎月の生活費と並べてみることをおすすめします。
6. 国民年金だけの人は、月6万円以上が約半分
国民年金だけを受け取る人は560万8982人で、平均年金月額は5万6337円でした。月6万円以上は49.2%、月5万円未満は31.6%で、男女別では女性の35.1%が月5万円未満です。共済の期間もない女性に絞ると、月5万円未満が40.0%で、月6万円以上の38.9%を上回ります。
12月15日には10月分と11月分の年金が振り込まれます。振込額を確かめたうえで、年金で足りない分をどう補うかを考えておくとよいでしょう。年金額について分からないことがあれば、年金事務所やねんきんダイヤルに相談してみてください。
※記事内の割合は、厚生労働省の資料の人数をもとにLIMO編集部が算出したものです。年金額は個人の加入期間や受給の状況によって異なります。
※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
参考資料
中本 智恵