株式市場の振り返り-日経平均株価は1カ月半弱ぶりに続落、TOPIXも1,700割れ

2019年11月14日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 23,141円(▲178円、▲0.8%) 続落
  • TOPIX 1,684.4(▲15.9、▲0.9%) 続落
  • 東証マザーズ株価指数 851.5(▲5.3、▲0.6%) 3日続落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:371、値下がり銘柄数:1,726、変わらず:57
  • 値上がり業種数:2、値下がり業種数:31
  • 年初来高値更新銘柄数:85、年初来安値更新銘柄数:11

東証1部の出来高は14億40万株、売買代金は2兆2,436億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。米国株は最高値更新となったものの、米中貿易摩擦の早期妥結に懐疑的な見方が広まり、前日に続きリスクオンモードが低下しました。ただ、好業績銘柄を中心に下値を拾う動きも多く見られ、売買代金は2兆2,000億円超を維持しています。

そのような中、日経平均株価は後場に下げ幅を拡大して軟調な動きとなりました。寄り付きから前日終値を挟む攻防となり、前場の半ばには一時+40円高となりましたが、後場に入ってから一気にマイナス圏へ沈みました。半ばには一時▲257円安まで下落し、23,000円割れが迫る場面もありましたが、その後はやや押し返しています。

それでも、プラス圏へ浮上することはなく、続落で終わりました。ちなみに、日経平均株価が続落となるのは、10月2~3日以来です。

なお、TOPIXも同じような値動きで続落となり、5日ぶりに終値で1,700ポイントを割り込んでいます。

東証マザーズ株価指数は3日続落、売買代金は67日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は5,016万株、売買代金701億円となり、いずれも前日より増加しました。ただ、前日比では増えたものの、個人投資家の物色意欲が減退しており、売買代金は67日連続の1,000億円割れとなっています。売買代金1,000億円は決して高いハードルではないのですが、個人投資家の投資マインド低下を如実に表していると言えましょう。

また、株価指数も3日続落となり、900ポイント回復が遠のいた状況が続いています。

ヤフーとLINEの経営統合余波で楽天が急落、アドバンテストが高値更新後に急落

個別銘柄では、ヤフーとの経営統合に関する観測報道(注:正式発表ではない)が流れたLINE(3938)に買いが殺到して取引が成立せず、最後は比例配分のストップ高(+15%超高)で引けました。また、そのヤフーを傘下に持つZホールディングス(4689)も一時+20%高に迫る爆騰となっています。

なお、ソフトバンクグループ(9984)は小幅上昇に終わり、意外にも冴えない値動きとなりました。

他方、両社の経営統合によって競争力低下が懸念された楽天(4755)が一時▲7%安に迫る急落となりました。さらに、ZホールディングスによるTOBに想定以上の応募があったZOZO(3092)が一時▲9%超安の急落となりましたが、終値は▲3%弱安に止まりました。

その他では、緩やかに円高が進行したこと等から自動車株が総じて売られ、日産自動車(7201)が▲3%超安の大幅下落となり、マツダ(7261)やホンダ(7267)も大きく値を下げました。

さらに、ハイテク株が利食い売りに押され、とりわけ、アドバンテスト(6857)が取引時間中に年初来高値を更新した直後から急降下し、終値は▲8%安に迫る急落となったのが目を引いたようです。

新興市場(東証マザーズ)では、ビープラッツ(4381)が▲12%弱安の暴落で年初来安値を更新し、シェアリングテクノロジー(3989)も▲13%超安の暴落となりました。一方、先々週から下落基調が続いているEduLab(4427)が反発し、前日暴落したユーザベース(3966)も大幅反発で引けています。

葛西 裕一