4.4 わが家の「安心できる余裕」を言葉にしておく
貯蓄の金額は世帯によってさまざまです。わが家にとってどのくらいの余裕があれば安心かを家族で話し合っておくと、貯蓄の目標も決めやすくなるでしょう。
たとえば「生活費の何か月分」「子どもの進学までにいくら」のように、使い道と時期を一緒に書いておくと、毎月いくら分けておけばよいかの見当もつけやすくなります。
目標は一度決めたら終わりではありません。家族の人数や働き方が変わったときには、そのつど見直しておきたいところです。
話し合うときは、金額だけでなく「何のための貯蓄か」も家族で共有しておくと、使い方の考えがそろいやすくなります。急に大きな出費が必要になったときにも、どの貯蓄から使うかを落ち着いて決めやすいでしょう。
目安が決まったら、毎年残高を書き出すときに、目標にどこまで近づいたかもあわせて確かめておくと、続ける励みになりそうです。途中で目標に届かない年があっても、理由がわかっていれば、次の一年の立て直し方も考えやすくなります。
5. まとめにかえて
世帯の形で見ると、1世帯当たりの平均貯蓄額は高齢者世帯が1647万6000円、児童のいる世帯が1035万7000円でした。一方で、働く人に聞いた調査では、日常生活費を「問題なくまかなえているが、余裕はない」と答えた人が40.5%と最も多くなっています。
平均の金額だけでは、それぞれの家計のゆとりまでは見えてきません。前の年より貯蓄が減った世帯の多くが、日常の生活費への支出を理由に挙げていることからも、毎月の暮らしと貯蓄はつながっていることがうかがえます。
世帯の形や年齢によって、貯蓄の金額も、暮らしのゆとりの感じ方も違います。ほかの世帯の平均は、わが家の家計を振り返るきっかけとして使い、目標はわが家の暮らしに合わせて決めていくのがよさそうです。
まずは一度、今の貯蓄の残高と毎月の生活費を、紙やメモに書き出すところから始めてみてはいかがでしょうか。数字で見えるようになると、わが家に合った貯め方を考えやすくなるはずです。
貯蓄は、金額を増やすことだけが目的ではありません。急な出費や将来の暮らしに備えて、気持ちのゆとりを持つための土台でもあります。わが家のペースで、できるところから続けていきたいところです。
今回見た平均や割合は、毎年の調査で少しずつ変わっていきます。新しい結果が公表されたら、わが家で書き出した数字と並べてみると、家計の変化にも気づきやすくなりそうです。
参考資料
- 厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」
- 株式会社ベター・プレイス「【10月17日は貯蓄の日】20~50代の働く男女の4人に1人が貯蓄ゼロ、理由の第1位は「生活費で手一杯」(64.0%)」(PR TIMES)
宮野 茉莉子