7. 【証券会社出身の視点】検証:公営住宅は年金の額で、UR賃貸住宅は貯蓄でも見られ、家賃6万円の貯蓄基準600万円は家賃の約8.3年分
この記事では、年金で暮らす世帯が公営住宅に申し込むときの政令月収の計算と家賃の決まり方、UR賃貸住宅の収入と貯蓄の基準、高齢者向けの家賃の減額、申し込み方をご紹介しました。
記事の政令月収は、65歳以上で年金だけを受け取り、年金が年110万円超330万円未満の人の場合です。給与があれば合算し、遺族年金と障害年金は数えません。60歳以上の世帯に別の基準を設けている自治体もありますので、住む予定の自治体の基準に当てはめてみるとよいでしょう。
毎月出ていくお金は、年金などの収入で払う分と、貯蓄を取り崩して払う分に分けて考えると、見通しを立てやすくなります。UR賃貸住宅の貯蓄基準は家賃の100倍なので、家賃6万円なら600万円で、家賃の約8.3年分にあたります。
確認していただきたい観点を、順に整理します。第一に、前年の年金の源泉徴収票の支払金額。第二に、住む予定の自治体の入居収入基準と、募集の時期や方式。第三に、UR賃貸住宅なら、希望する家賃の4倍の月収か、100倍の貯蓄があるかです。
入居の条件と家賃の決まり方が分かると、年金のうち住まいに回す額と、貯蓄から取り崩す額も決めやすくなります。住み替えの候補を並べるときに、家賃だけでなく条件の違いもあわせて見てみると、選び方の幅が見えてくるかもしれませんね。
8. まとめ
公営住宅の入居収入基準は政令月収15万8000円が基準で、65歳以上で年金だけの単身なら政令月収は年金の月額から10万円を引いた額です。厚生年金の平均では、単身が約7.0万円、夫婦が約5.0万円で、家賃は収入の区分と住宅の立地・広さ・古さ・利便性で決まります。
UR賃貸住宅は、家賃の4倍の平均月収額か100倍の貯蓄が目安で、礼金・仲介手数料・更新料・保証人はありません。高齢者向けの住宅には、世帯の所得月額15.8万円以下で家賃が減額されるものもあります。都営住宅では持ち家があると原則申し込めず、募集は抽せんが中心です。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の入居資格や家賃は、自治体の条例、住宅の立地・広さ・建築年数、世帯の所得や控除などによって異なります。公営住宅はお住まいの自治体や住宅供給公社、UR賃貸住宅はUR都市機構の店舗でご確認ください。
参考資料
- e-Gov法令検索「公営住宅法施行令」
- 東京都住宅政策本部「申込者および同居親族ひとりずつの所得計算」
- 東京都住宅政策本部「所得基準」
- 東京都住宅政策本部「都営住宅の入居資格」
- 東京都住宅政策本部「現在お住まいの住宅の種類が持家である場合」
- JKK東京「家族向・単身者向 年4回 定期募集」
- UR都市機構「お申込み資格」
- UR都市機構「メリット・特徴」
- UR都市機構「高齢者向け賃貸住宅」
- 厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
安達 さやか