勤め先の持株会に入り、毎月の給料から自社株を買い続けている方もいるでしょう。持株会には奨励金の上乗せがあるので、続けていれば老後の備えになるのかは気になるところです。
富裕層や法人のお客さまの資産運用のご相談を受けていた経験からお伝えすると、持株会は、資産の多くが1つの銘柄に集まっていないかを早めに確かめておきたいテーマです。ここでは、東京証券取引所の調査で持株会の奨励金の水準を確かめます。
そのうえで、奨励金が拠出1000円につき100円の場合に、自社株の値段が上がったとき・下がったときの評価額を試算し、奨励金の上乗せ分がなくなる値下がりの境目を出します。
※奨励金や加入者の数字は、東京証券取引所「2024年度従業員持株会状況調査結果の概要」の値です。対象は、東証上場の会社のうち、大手証券会社5社のいずれかに持株会の事務を委託している3265社で、2025年3月31日時点です。
1. 持株会の奨励金はいくら?支給している会社の平均は拠出1000円につき約107円、最も多い額は100円(東証上場3265社・2024年度)
東京証券取引所「2024年度従業員持株会状況調査結果の概要」によると、調査した3265社のうち96.6%にあたる3154社が奨励金を出しています。奨励金は、加入者が毎月出す拠出金に、会社が一定の割合や一定額で上乗せするお金です。
- 【奨励金を出している会社】3154社(調査した3265社の96.6%)
- 【奨励金の平均】拠出1000円につき107.24円(奨励金を出している会社の平均)
- 【最も多い奨励金の額】拠出1000円につき100円(1391社)
- 【持株会の加入者】約330.2万人(調査した会社の従業員数に対する割合は40.12%)
- 【加入者1人あたりの平均保有金額】250.3万円(2025年3月末)
奨励金の平均は前年度の99.79円から上がり、過去最高でした。拠出1000円につき100円なら、拠出の1割が上乗せされる計算です。
なお、日本証券業協会「持株制度に関するガイドライン」によると、奨励金は給与として課税されます。