5. 解雇予告手当は予告の日数や暦日数で変わる?20日前の予告なら10日分、計算の期間に2月が入ると月給25万円で約1.2万円の差
労働基準法第20条第2項により、予告と解雇予告手当は組み合わせることができます。予告が30日に足りない日数の分だけ、平均賃金を支払う形です。先ほどの9月1日入社・61日の場合で計算すると、次のとおりです。
- 【月給20万円】20日前の予告なら10日分で約6.6万円(6万5574円)、10日前の予告なら20日分で約13.1万円(13万1147円)
- 【月給25万円】20日前の予告なら10日分で約8.2万円(8万1967円)、10日前の予告なら20日分で約16.4万円(16万3934円)
- 【月給30万円】20日前の予告なら10日分で約9.8万円(9万8361円)、10日前の予告なら20日分で約19.7万円(19万6721円)
平均賃金は暦日数で割るため、同じ月給・同じ2か月分でも、計算の期間の日数で解雇予告手当が変わります。月給25万円で、2か月分の期間が59日(1月と2月)の場合と62日(12月と1月)の場合を比べました。
- 【59日の場合】平均賃金8474円57銭、解雇予告手当(30日分)約25.4万円(25万4237円)
- 【62日の場合】平均賃金8064円51銭、解雇予告手当(30日分)約24.2万円(24万1935円)
差は約1.2万円です。月給20万円なら約19.4万円と約20.3万円、月給30万円なら約29.0万円と約30.5万円になり、日数の少ない2月が入ると、解雇予告手当は月給1か月分を上回ります。
※試算の前提:入社日から2回目の賃金締切日までの2か月分の月給を、その期間の暦日数で割っています。2027年は2月が28日の年です。
6. 解雇予告手当に税金はかかる?国税庁は退職所得として扱い、退職所得控除は勤続1年未満でも80万円
国税庁「No.2736 解雇予告手当や未払賃金立替払制度に基づき国が弁済する未払賃金を受け取ったとき(退職所得)」によると、労働基準法第20条の解雇予告手当は、給与ではなく退職所得とされる退職手当等に当たります。
- 【退職所得控除額】勤続20年以下は40万円×勤続年数で、80万円に満たない場合は80万円。1年未満の端数は1年に切り上げる
- 【「退職所得の受給に関する申告書」を出した場合】支払う側が税額を計算して源泉徴収し、原則として確定申告は不要
- 【申告書を出さない場合】支払金額の20.42%が源泉徴収され、確定申告で精算する
試用期間中の解雇なら勤続は1年未満で、控除額は80万円です。その年にほかの退職手当等を受け取っていなければ、月給30万円の場合の約29.5万円も控除額の範囲に収まります。申告書を出していないと、約29.5万円から約6.0万円(6万255円)が源泉徴収され、確定申告で精算することになります。