冬のボーナスの前に転職先が決まり、退職をいつ伝えるか迷っている方もいるのではないでしょうか。冬のボーナスは、退職の時期によって支給の対象から外れることがあります。分かれ目になりやすいのが、就業規則や賃金規程にある「支給日に在籍していること」という条件です。
賞与は「働いた期間の分の後払い」と受け取られがちですが、法律上は会社ごとの定めで条件が決まるお金です。ここでは、労働基準法と厚生労働省のモデル就業規則、最高裁の判決から、支給日在籍の条件の仕組みを見ていきます。
あわせて、年末賞与の平均額をもとに、冬のボーナスから引かれる税金・社会保険料と手取りを試算しました。
※年末賞与の平均42万4889円は、厚生労働省「毎月勤労統計調査」の特別集計による2025年年末賞与の、支給事業所における労働者一人平均賞与額(事業所規模5人以上・調査産業計)です。
1. 冬のボーナスは退職すると支給されない?賞与は法律で義務づけられたものではなく、支給の条件は就業規則・賃金規程の定めで決まる
冬のボーナス(賞与)は、毎月の給与とは法律上の扱いが異なります。労働基準法と厚生労働省「モデル就業規則(令和7年12月版)」の解説から、賞与に関わる定めを並べると次のとおりです。
- 【労働基準法第11条】賃金には、給料や手当とともに賞与も含まれる
- 【労働基準法第24条第2項】賃金は毎月1回以上、一定の期日を定めて支払う必要があるが、賞与などの「臨時の賃金等」はこの限りでない
- 【労働基準法第89条第4号】常時10人以上の労働者を使用する会社は、臨時の賃金等の定めをする場合、その事項を就業規則に書き、労働基準監督署に届け出る
- 【モデル就業規則の解説】賞与は、労基法その他の法律によって設けることが義務付けられているものではない
モデル就業規則の解説は、賞与を支給する場合は、支給対象時期、算定基準、査定期間、支払方法などを就業規則で明確にしておく必要があるとしています。冬のボーナスが退職者に支給されるかどうかは、法律が一律に決めているのではなく、勤務先の就業規則や賃金規程の書き方で決まります。