親族の結婚式に招かれたとき、ご祝儀をいくら包むかは迷いやすいことの一つです。親族の結婚式のご祝儀は「相場」として1つの額で語られることが多いものの、調査の数字には「平均」と「最も多い額」があり、どちらを見るかで目安が変わります。

ご祝儀の金額は、誰が答えた値なのかを分けて読むと迷いが減ります。ここでは、全日本冠婚葬祭互助協会の調査をもとに確かめます。

新郎新婦との関係別、回答した人の年代別に、平均と最も多い額を見てみましょう。あわせて、夫婦2人で出席する場合と、子どもも一緒に出席する場合の考え方を比べます。

※平均約6万円と最も多い額3万円は、全日本冠婚葬祭互助協会「第6回婚礼に関するアンケート調査報告書(令和5年度実施)」で、新郎新婦の兄弟・姉妹として出席した人が贈ったご祝儀の額(回答221件)です。

1. 親族の結婚式のご祝儀はいくら?兄弟姉妹として出席した人の平均は約6万円、最も多い額は3万円

全日本冠婚葬祭互助協会「第6回婚礼に関するアンケート調査報告書(令和5年度実施)」は、結婚式・披露宴に出席した人に「今回、あなたが贈った『祝儀』はいくらですか」と聞いた調査です。有効回答は3137件で、新郎新婦との関係ごとに集計されています。

新郎新婦の兄弟・姉妹として出席した人(回答221件)のご祝儀は、次のとおりです。

  • 【平均】約6万円(6万52円)
  • 【最も多い額】3万円(回答の27%)
  • 【5万円と答えた人】回答の26%

平均は最も多い額の約2倍です。平均は、10万円以上など高い額を贈った人の回答に引き上げられるため、最も多い額より高く出ます。「3万円」と「5万円」を合わせると回答の約半分(53%)になります。

前回の平成29年度の調査では、兄弟・姉妹の最も多い額は5万円(回答の38%)でした。令和5年度は5万円の割合が26%に下がり、最も多い額は3万円に変わっています。

※兄弟・姉妹の平均約6万円は、6万52円を1000円の位で四捨五入した値です。割合は、同じ調査の「新郎新婦との関係別の祝儀(回答別割合)」の記載によります。

2. 親族の結婚式のご祝儀は関係で違う?最も多い額は、おじ・おばとして出席した人で5万円、そのほかの親戚で10万円

同じ調査で、新郎新婦との関係ごとに平均と最も多い額を並べると、次のようになります(全国)。

  • 【兄弟・姉妹(回答221件)】平均約6万円、最も多い額3万円
  • 【おじ・おば〈おい・めいの結婚式〉(回答448件)】平均約8.2万円、最も多い額5万円
  • 【いとこ(回答197件)】平均約3.5万円、最も多い額3万円
  • 【そのほかの親戚〈調査の区分は「上記以外の親戚」〉(回答329件)】平均約11.8万円、最も多い額10万円
  • 【職場の上司(回答163件)】平均約3.8万円、最も多い額3万円
  • 【職場の同僚(回答275件)】平均約3.2万円、最も多い額3万円
  • 【友人(回答1200件)】平均約3.1万円、最も多い額3万円

最も多い額は、おじ・おば(5万円)と上記以外の親戚(10万円)を除くと、どの関係も3万円です。一方で平均は、兄弟・姉妹とおじ・おばでは最も多い額を3万円以上上回ります。平均を最も多い額で割ると、友人は約1.03倍、兄弟・姉妹は約2.00倍です。

調査報告書は、親戚の関係では「3万円」と答えた人の割合が友人や職場の関係より低く、相場の傾向が異なると説明しています。なお、「上記以外の親戚」には、新郎新婦の親が含まれる場合があるとされています。

結婚式のご祝儀の平均額と最も多い額(新郎新婦との関係別・令和5年度)1/1

新郎新婦との関係別に、ご祝儀の平均額と最も多い額を並べた図。兄弟・姉妹は平均約6万円で最も多い額3万円、おじ・おばは平均約8.2万円で5万円、いとこは平均約3.5万円で3万円、上記以外の親戚は平均約11.8万円で10万円、友人は平均約3.1万円で3万円

出所:全日本冠婚葬祭互助協会「第6回婚礼に関するアンケート調査報告書(令和5年度実施)集計結果」をもとにLIMO編集部作成

3. 結婚式のご祝儀は出席した人の年代でも違う?兄弟姉妹として出席した30代の平均は約5.5万円、40代は約8.2万円(回答40件)

結婚式のご祝儀は、回答した人の年代別にも集計されています。兄弟・姉妹として出席した人の値は、次のとおりです。

  • 【20代(回答78件)】平均約4.4万円、最も多い額5万円
  • 【30代(回答88件)】平均約5.5万円、最も多い額3万円
  • 【40代(回答40件)】平均約8.2万円、最も多い額は3万円・5万円・10万円が同数

30代と40代の平均の差は約2.7万円です。ただし40代は回答が40件で、最も多い額も3つの額が同じ数で並んでいます。少ない回答の中に高い額が数件あると、平均は大きく動きます。

50代以上の兄弟・姉妹の回答は、50代が9件、60代と70代以上が3件ずつです。件数が少ないため、ここでは平均を並べていません。

※年代は、回答した人本人の年代です。20代〜70代以上の6区分の回答件数を足すと221件、件数で重みづけた平均は6万52円で、全国の兄弟・姉妹の値と一致することを確かめています。

4. 親族の結婚式に家族で出席するときのご祝儀は?夫婦2人か子どもも一緒かを分けた設問はなく、子どもの分は料理・引出物の費用から考える

この調査の回答票には、新郎新婦との関係、贈ったご祝儀の額、回答した人の年代・既婚か未婚か・子どもの有無などを聞く欄があります。一方で、何人で出席したかを聞く設問はありません。

調査報告書は、親戚の関係で地域によって額にばらつきがある理由の一つとして、関係の親密度や参列人数(夫婦か1人かなど)を挙げています。家族で出席する場合は、調査の値を次のように読み分けることになります。

  • 【夫婦2人で出席】兄弟・姉妹の平均約6万円・最も多い額3万円は、1人で出席した人の回答と、夫婦で出席した人の回答を分けていない値です。夫婦の分をまとめて贈る額として、そのまま当てはめられるとは限りません
  • 【子どもも一緒に出席】子どもの人数や年齢を聞く設問はなく、調査に子どもの分の値はありません。子どもの席に用意される料理や引出物の費用を、夫婦の分に足して考える方法があります

子どもの料理や引出物は、子どもの年齢や式場の用意によって内容が変わります。そのため、子どもの分は「◯万円」と1つの額に決まるものではありません。地域や家の慣習によっても考え方が分かれます。

5. 親族の結婚式のご祝儀で迷ったら?兄弟姉妹として出席した人の最も多い額は、地域ごとの回答6〜46件で1万〜10万円と分かれ、両家の親に慣習を確かめる

同じ調査を地域別に見ると、兄弟・姉妹として出席した人の最も多い額は、地域によって分かれています。

  • 【東京(回答20件)】最も多い額5万円、平均約4.3万円
  • 【南関東(回答25件)】最も多い額10万円、平均約6.1万円
  • 【中部(回答27件)】最も多い額3万円、平均約4.3万円
  • 【九州(回答22件)】最も多い額5万円、平均約6.2万円

地域別の兄弟・姉妹の回答は、四国の6件から北関東の46件まで、どの地域も50件に届きません。東北(回答13件)では1万円と2万円が同数で最も多く、地域によって幅があります。

件数の少ない数字だけで額を決めるのは避けましょう。家族で出席する場合は、両家の親や親族に、地域や家の慣習を確かめておくと安心です。

6. ご祝儀を決める前に、家族の出席の形と両家の慣習を確かめておく

この調査は、全互協に加盟する互助会の式場で披露宴に出席した人と、インターネットのアンケートモニターに聞いたものです。1人で出席したか、夫婦や家族で出席したかは分けて聞いていません。自分の家族の出席の形に、調査の値をそのまま当てはめないようにしましょう。

兄弟・姉妹の平均約6万円は高い額を贈った人の回答に引き上げられた値で、最も多い額は3万円です。「3万円」は27%、「5万円」は26%で、回答は1つの額に集まっていません。平均と最も多い額の両方を見て、目安の幅として使いましょう。

ご祝儀は、家族の間でお金が動く場面の一つでもあります。国税庁「No.4405 贈与税がかからない場合」では、個人から受ける祝物などの金品は、社会通念上相当と認められるものであれば贈与税がかからないとされています。

調査の数字は目安として使い、家族の出席の形と地域の慣習を合わせて額を決めましょう。

7. まとめ

全日本冠婚葬祭互助協会の令和5年度の調査では、兄弟・姉妹として結婚式に出席した人のご祝儀は、平均約6万円、最も多い額は3万円でした。平均は高い額に引き上げられるため、最も多い額の約2倍になります。おじ・おばとして出席した人の最も多い額は5万円、上記以外の親戚は10万円です。

この調査は、何人で出席したかを聞いていません。家族で出席するときの額は、夫婦の分に子どもの料理・引出物の分をどう考えるかも含めて、両家の親や親族に地域や家の慣習を確かめて決めましょう。ご祝儀と贈与税の扱いで分からないことは、税務署に確かめると安心です。

※本記事の金額は、調査に回答した人が贈ったご祝儀の集計値です。ご祝儀の額を決めるものではなく、地域や家の慣習によって考え方が異なります。

参考資料