5. 有給がない病欠で給料の減り方を抑えるには?病気休暇の規定と、次の有給の付与日を確かめる
厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」によると、夏季休暇や病気休暇などの特別休暇制度のうち、「病気休暇」がある企業は28.4%です。病気休暇の日に給料が出るかどうかも、会社の決まりによります。
- 【就業規則・賃金規程】欠勤控除の計算方法、病気休暇や積立休暇の有無を確かめる
- 【有給の付与日】有給は、雇い入れから6か月後と、その後1年ごとに、出勤率8割以上を条件に付与される(労働基準法第39条)。次の付与日を確かめておく
- 【傷病手当金】病欠が連続3日を超えそうなときは、会社の担当部署に申請の手順を確かめる
欠勤控除の額や計算方法に疑問があるときは、労働基準監督署や、都道府県労働局などにある総合労働相談コーナーに相談できます。総合労働相談コーナーは予約不要・無料で、面談か電話で相談できます。
傷病手当金の対象になるかどうかや申請の方法は、加入している健康保険(協会けんぽの都道府県支部や健康保険組合)が窓口です。
6. 【検証】試算から見えること:病欠で減るのは、給料よりも社会保険料を引いた後の給料
試算では、病欠1日で給料は約4.8%、5日で約24.2%減りました。一方、社会保険料を引いた後の給料は、1日で約5.6%、5日で約28.2%減っています。
差が出るのは、健康保険料や厚生年金保険料が、その月の給料ではなく標準報酬月額で決まるためです。欠勤控除は給料から引かれますが、これらの保険料は病欠した月も同じ額です。
40〜64歳の人は介護保険料(本人負担 約2800円)も加わり、健康保険料・子ども・子育て支援金・厚生年金保険料と合わせて約5万1000円になります。毎月同じ額で引かれる保険料が大きいほど、病欠した月の減り方は大きくなります。
傷病手当金は、待期の3日間を過ぎた日からの支えです。5日の病欠では2日分にとどまりますが、病欠が長くなるほど、欠勤控除で減った分を傷病手当金が埋める割合は大きくなります。
病欠した月の給料明細は、欠勤控除の額と、変わらない保険料の額を分けて見ると、減った理由が分かりやすくなります。
7. まとめ
有給がない日の病欠は、働かなかった日の分が欠勤控除として給料から引かれます。引き方は法律で一つに決まっておらず、会社の就業規則や賃金規程で決まります。平均的な月給34万600円で試算すると、病欠1日で約1万6500円、5日で約8万2300円です。
健康保険料や厚生年金保険料は病欠した月も変わらないため、社会保険料を引いた後の給料は、給料よりも大きな割合で減ります。病欠が4日目に入れば傷病手当金の対象になるので、就業規則とあわせて、会社の担当部署や加入している健康保険に確かめておくと安心です。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。欠勤控除の計算方法、社会保険料の額、傷病手当金の支給の有無や額は、勤め先の就業規則や加入している健康保険、個人の状況によって異なります。実際の扱いは、勤め先の担当部署や加入している健康保険でご確認ください。
参考資料
- e-Gov法令検索「労働基準法」
- e-Gov法令検索「健康保険法」
- 全国健康保険協会「傷病手当金」
- 全国健康保険協会「令和8年度保険料額表(令和8年3月分から)」
- 日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
- 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査 結果の概況」
- 厚生労働省「雇用保険料率について」
齊藤 慧