有給を使い切って病欠すると給料はいくら減る?平均的な月給なら1日約1万6500円、5日休むと社会保険料を引いた後の給料は約28%減
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有給を使い切ったあとに体調を崩して病欠すると、給料はどれくらい減るのでしょうか。有給がない日の病欠は、働かなかった日の分が給料から引かれるのが原則です。
ここでは、厚生労働省の統計から平均的な月給と月の所定労働日数を置き、病欠が1日の月と5日の月で、給料と、社会保険料を引いた後の給料がどう変わるかを試算します。
あわせて、病欠が4日目に入ったときに健康保険から出る傷病手当金の額と、困ったときの相談先も整理します。
※月給34万600円は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の一般労働者(男女計)の賃金(所定内給与額)です。月の所定労働日数の約20.7日は、厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」の労働者1人平均の年間休日総数116.6日から計算しています。
1. 有給がない日の病欠で給料は減る?働かなかった日の分が引かれ、引き方は会社の就業規則で決まる
有給がない日に病欠すると、その日は働いていない扱いになり、働かなかった分の給料は支払われないのが原則です(ノーワーク・ノーペイ)。この差し引きを、一般に「欠勤控除」と呼びます。
労働基準法第89条は、常時10人以上の労働者を使う会社に、賃金の決定・計算・支払いの方法を就業規則に書くよう定めています。欠勤控除の1日あたりの額をどう出すかは法律で一つに決まっておらず、会社の就業規則や賃金規程で決まります。
- 【月給÷その月の所定労働日数】月によって1日あたりの額が変わる
- 【月給÷1年間の月平均の所定労働日数】どの月も1日あたりの額が同じ
- 【割る対象】基本給だけか、手当も含めるかも会社の決まりによる
2. 病欠1日で給料はいくら減る?平均的な月給34万600円なら約1万6500円
仮に月給34万600円、月の所定労働日数を約20.7日とし、月給を1年間の月平均の所定労働日数で割る方法で計算します。
- 【欠勤控除の1日あたり】約1万6500円(34万600円÷約20.7日)
- 【病欠1日の月の給料】約32万4100円(約4.8%減)
- 【社会保険料を引いた後の給料】約29万700円から約27万4300円に(約5.6%減)
給料が減る割合は約4.8%ですが、社会保険料を引いた後の給料は約5.6%減ります。健康保険料や厚生年金保険料が、病欠した月も同じ額で引かれるためです。
※試算の前提:月給は所定内給与額の34万600円で、残業代などはないものとします。社会保険料は、協会けんぽ東京支部(令和8年度)の40歳未満・標準報酬月額34万円の本人負担(健康保険料・子ども・子育て支援金・厚生年金保険料の合計 約4万8200円)と、雇用保険料(給料の0.5%)です。所得税・住民税は含めていません。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
元・厚生労働省担当記者(社会保障専門紙)
中央大学法学部を卒業後、東証プライム上場IT企業での法人営業を経て、厚生労働省記者クラブに所属する行政・自治体向けの社会保障専門紙記者として活動。
現在は「公的社会保障制度(年金・医療・介護)」の仕組みと、「私的資産形成(NISA・iDeCo)」の税制優遇制度を横断的に分析し、生活者のための家計防衛術を提供する編集者として活動している。
各省庁が公表する難解な一次情報(e-Gov法令検索の条文データや、総務省統計局の家計調査など)を読み解き、現役世代からシニア層までを対象に、事実に基づいた実用的な解説記事を継続的に執筆している。
このほか、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも情報を発信している。
【経歴・専門性】
前職の専門紙記者時代には、厚生労働省本省および各地方自治体(保険者)を直接取材対象とし、現場の最前線で以下の重要政策の決定プロセスと一次情報に触れてきた。
これらの政策取材を通じ、「制度の複雑化が引き起こす、生活者のサイレントな不利益(申請漏れや制度の不知による経済的損失)」の構造を実務レベルで把握。役所の論理で構築された難解な制度設計を、IT企業時代に培ったデータ分析手法と掛け合わせることで、客観的指標(平均値ではなく中央値を用いた実態把握など)に基づく解説記事を執筆している。
【具体的な実績・保有資格・メディア掲載歴】
公的機関の一次データに依拠した客観的な記事執筆により、Yahoo!ニュース「経済ランキング」において多数の1位を獲得。具体的な執筆・担当領域における実績は以下の通りである。
- 公的年金・給付金領域:日本年金機構の公表資料に基づく「在職老齢年金による支給停止基準」や「年金生活者支援給付金の受給要件」の解説。また、国税庁のガイドラインに沿った定額減税や各種給付金の対象者判定フローの実務的整理。
- 医療・介護保険領域:高額療養費制度などの自己負担限度額の算出方法や、公的保障のセーフティネット範囲の図解解説。
- 資産運用領域:金融庁のNISA特設サイトや、iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)のデータに基づく税制優遇メリットの数値化。特定の金融商品の購入推奨は行わず、公的年金の不足分を補うための長期積立投資の制度整理に特化。
- 貯蓄・家計管理領域:家計調査などの官公庁統計データに基づいた、年代別・世帯年収別の貯蓄実態の論理的解説、およびインフレ時代におけるリスク管理手法の情報提供。
- 保有資格・実務知見:東京商工会議所 ビジネスマネジャー検定試験®合格。上場企業での実務経験と当資格で培った「組織マネジメント」や「コンプライアンス・リスク管理」の視点を個人の家計防衛に転用し、ビジネスパーソンが納得できる論理的な解説の裏付けとしている。
【読者へ提供する価値と発信理念】
「役所の論理ではなく、生活者の視点で制度を翻訳する」ことを発信の基本理念としている。
複雑怪奇な社会保障制度においては、制度を知らないこと自体が直接的な経済的損失に直結する。この情報非対称性を是正し、「知っていれば救われたはずの人が損をする現状をゼロにする」ことが現在の活動における最大のミッションである。
そのため、記事執筆にあたっては個人の主観や推測、投資推奨は避ける。
そのうえで、読者の生活や資産に影響を与える領域であることを自覚し、読者が「国に頼りすぎず、国を賢く利用する」ための正確で安全な判断材料を提供し、生活者とその家族を守るための実用的な知見を届け続けている。