6. 【証券会社出身の視点】検証:株式分割で最低購入額が下がると、NISAの成長投資枠240万円に1単位ずつ入れられるのは、50万円なら4銘柄まで、10万円なら24銘柄まで

株式分割は「安くなる」と言われますが、下がるのは1株の値段で、会社の価値や持ち株の価値が下がるわけではありません。分割のニュースでは、値段の変化よりも、投資する額に対して受け取る配当・株主優待の割合を見ておきたいところです。

その割合は、配当なら分割の前後で変わらないのが原則です。一方の株主優待は、必要な株数の見直しがあると、分割後に少ない資金で買う人ほど対象から外れやすくなります。分割の発表を見たら、配当予想の修正と株主優待の条件をあわせて確かめておくと、判断しやすくなります。

最低購入額が下がることで変わるのは、資金の分け方です。NISAの成長投資枠(年240万円)に1単位ずつ入れる場合で比べると、次のようになります。

  • 【最低購入額50万円の銘柄】240万円の枠で4銘柄まで
  • 【最低購入額10万円の銘柄】240万円の枠で24銘柄まで

1つの銘柄にまとまった資金を入れなくても、業種や配当の時期を分けて持てるようになるのは、分割による買いやすさのひとつです。ただし、銘柄を増やすほど、それぞれの会社の開示を確かめる手間も増えます。

分割したから株価が上がる、下がるとは言い切れません。分割は、会社が株主の幅を広げるための手続きのひとつとして受け止め、銘柄そのものは業績や配当の方針で見ていくと、判断しやすいかもしれません。

7. まとめ

株式分割で1株の値段は分割の比率で下がり、最低購入額は株価5000円・1株→5株なら50万円から10万円になります。持ち株の評価額と会社の時価総額は分割では変わらず、配当も1株あたりの額が調整されれば、前から持つ人と分割後に買う人で利回りは同じです。

差が出やすいのは株主優待の条件です。分割の発表と同じ日の適時開示で、必要な株数や長期保有の条件を確かめてください。売買のタイミングや手数料、口座での扱いは取引している証券会社に、取引についての苦情や相談は証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)に問い合わせることができます。

※本記事の試算は、株価5000円・配当利回り約2.26%を置いた一定の前提に基づく概算です。実際の株価・配当・株主優待の条件は、各社の適時開示や取引している証券会社でご確認ください。

参考資料

安達 さやか