1000万円を貯めると聞くと、何かたいそうな努力をしたのではと思うかもしれません。お金を貯めるには好きなものを我慢し、友達ともあまり遊べずに節約する、というイメージですが、意外と楽しんで1000万円を貯めた人もいるようです。そこで今回は、35歳までに1000万円貯めた人に話を聞いてみました。
買いたいマンションの写真を待ち受けに
金融機関で働く30代のAさん。彼女は貯金のモチベーションを保つために、さまざまな工夫をしてお金を貯めてきたと言います。
Aさんは「貯金はモチベーションをいかに保てるかだと思う」と言い切ります。Aさんの場合は、35歳で分譲マンションを購入することが目標でした。本格的に貯金を始めたのは26歳のとき。先輩の独身女性がキレイな分譲マンションを購入したという話を聞き、マンション購入を検討し始めました。
「彼女はもっと早くマンションを購入していたけれど、私は貯金を始めるのがちょっと遅かったから、とりあえず35歳でマンションを買おうと思った」と言います。ただし、実際には少し前倒しでマンションを購入することに成功しました。
彼女はモチベーションを保つために、いろんなことをしたと言います。たとえば、さまざまなマンションの見学会に足を運び、常に心をわくわくさせるようにしていたそう。
「最初の頃は、毎月1回以上は行っていた。楽しくてしょうがなかったし、それでまたさらに貯金を頑張ろうって思える。真新しいマンションの内装の写真を撮って待ち受けにしていた」とも話してくれました。
また、これもモチベーションを保つために、住宅ローンの試算やライフプランの練り直しも頻繁にしていたと言います。「エクセルで表を作って自分の人生プランを入力するのが大好きだった。わくわくして楽しくてしょうがなかった。一時期は本当にそれだけで土日がつぶれてしまうくらいハマっていた」と笑顔で話してくれました。
「毎月10万円は貯めると決めて、さらにボーナスはほぼ全額を貯金。金融機関といっても事務職だから毎月10万円は相当キツくて、途中でもっと家賃が安い、駅から15分歩く部屋に引っ越した。それで月3万円くらい浮いたし、駅から遠くて飲食店もなく、外食するのもコンビニに行くのも億劫になったので家で自炊することが多くなった」というAさん。
最初は毎月10万円を貯めると決めても、なかなかうまくいかない月もあったのだそうですが、次第にコツが掴めたと言います。
「先取り貯金がいいと言いますが、とりあえず先取りで12万円を貯金口座に移していた。すると、『どうしても厳しい』と思って引き出してしまう分が1.5万円くらいなので結果的に10万円以上貯まるときも。人間って目標が100点だと80点くらいしか取れないけれど、120点が目標なら100点が意外と簡単に取れる、と偉い人が話しているのを聞いて貯金で実行してみた」とあっけらかんと話してくれました。工夫上手なAさんを見習いたいものですね。
貯金の目標額に自分が追い付くような工夫を
IT企業に勤めるBさんは、老後資金のために貯金を始めました。しかし、途中で不動産投資や株式投資に目覚めて、今は投資を楽しみつつ、まったりと貯金をしていると言います。Bさんが貯金を本格的に始めたのは28歳のとき。証券会社勤務の大学時代の友人から話を聞いたことで投資に興味がわき、その延長線でお金のことを考えるようになったのだと言います。
「IT企業と言ってもベンチャーに近くて、給与水準で言えば下のほう。だけど、お金は必要だと思っていたから、証券会社に勤める友人に話を聞いたときに抵抗なく受け入れられた」とのこと。
証券会社勤務の友人は当初、Bさんの生活水準を見て「今のままじゃ余裕資金がなく投資に回せない。とりあえず50万でも100万でもお金を貯めろ」と言ったのだそう。それが悔しくて、とりあえず50万円、という思いで投資を始めるためにお金を貯めたBさん。
「50万円貯まったからとりあえず投資を教えてくれと頼んで、証券口座を開いた。投資信託はコストが高いし何の銘柄が組み入れられているかわからなかったから、個別の株に投資することに。失敗もあったものの、「あまり大きな損失をしない」ということをモットーに、少しずつ資産を増やしていったと言います。
その一方で、貯金の目標金額を設定。「投資で何を目指そうかと考えたときに、ロードマップみたいなものを作ろうと思った。なんとなく1000万円って決めて、いまの給料から毎月貯金するお金と投資に回すお金を計算し、1000万円までの道筋を決めた。そこには会社で昇格するとか、この期で営業トップを取ってボーナスが上がるとか、そういう夢をたくさん盛り込むことで、投資も仕事も貯金も全部頑張ろうと思えた」と話してくれました。
Bさんのように高めの目標金額を設定し、そこに自分が追い付けるようにスキルアップしたり努力したりするのも大事なことですよね。節約に励むよりも、スキルアップで所得を増やすほうが難しいですが、トータルで自分のプラスになることは間違いありません。
貯金にハマってしまい、残高を見るのが大好きに
某メーカーで広報の仕事をしている30代のCさん。彼女は「貯金するなら貯金にハマればいいんだよ」と話します。彼女が貯金を始めたのは24歳。社会人2年目を迎え「老後のお金とか、結婚のお金とか、大丈夫なのかな」と不安に感じたことがきっかけでした。