家計を支えるため、自己実現のためなど、結婚した女性が夫と共に働くことが当たり前の時代となっています。しかし、働きたくても働けない事情を持つ主婦や、正社員からパートに切り替えるなどして力をセーブしなくてはならないワーキングマザーも少なくはありません。
「本当はもっと働きたいのにできない」という、子育て世代女性の活躍を阻む原因は何なのでしょうか。
理想の世帯年収に近づくためには女性の活躍がカギなのに…
今年5月に明治安田生命が、0歳から6歳までの子どもがいる既婚男女1,100人を対象に行なった「子育てに関するアンケート調査」によると、子育てをするうえでの理想の年収は、1,032万円(夫:773万円+妻:259万円)という結果でした。しかし、現実の世帯年収は755万円(夫:626万円+妻:129万円)であり、理想とは277万円の差が生じています。
子育て費用には保育園や幼稚園の費用のほか、習い事の月謝、食費、レジャー費用などもかかってきます。上記アンケートによると、負担が大きいと感じているのは「保育園・幼稚園代」が66.9%と最も多く、次いで「習い事やお稽古事の費用」(41.0%)、「食費」(27.6%)となっています。
世帯年収の平均と理想のギャップを埋めるには女性の活躍がカギといえますが、「働きたいのに働けない」要因について専業主婦に尋ねると、「周りに助けてもらえる環境でない」と回答した人が49.2%と最も多く、約半数の人がワンオペ育児のために「働きたいのに働けていない」現状にあることが分かりました。
また「保育園がない」は28.8%。専業主婦が働こうと思っても仕事がない状態で保育園に預けることは、特に保活激戦区の都市部では難しく、一度キャリアを中断すると子育てしながら働くことへのハードルがかなり上がってしまうのです。
一度キャリアを中断すると簡単には戻れない現実
先日、Twitter上で話題を呼んだ投稿があります。子育てのため一度キャリアを中断させた女性が、子育て中に難関の国家資格を取得して採用試験に挑んだのにもかかわらず「ブランクがあるから」と落とされてしまったという内容です。