3. 早期退職せず60歳の定年まで勤めたら退職所得控除はどう変わる?勤続38年なら2060万円で、平均2037万円の退職金に税金はかからない

早期退職せず、同じ人が60歳の定年まで勤めると勤続38年です。退職所得控除額は800万円+70万円×18年で2060万円になり、勤続35年以上の定年退職の平均2037万円は、退職所得控除額の範囲に収まります。

  • 【50歳で早期退職(勤続28年)】退職所得控除額1360万円、退職金2266万円、税金約94.2万円、手取り約2171.8万円
  • 【60歳で定年退職(勤続38年)】退職所得控除額2060万円、退職金2037万円、税金0円、手取り2037万円

退職所得控除額は、勤続20年を超えると1年ごとに70万円ずつ増えるため、50歳から60歳までの10年で700万円増えます。退職金の差は229万円でも、税金を引いた手取りで比べると、早期優遇退職の平均のほうが多いのは約134.8万円です。

※試算の前提は前章と同じです(60歳は勤続38年)。

4. 早期退職で受け取らなくなる60歳までの給与は?大学卒の50〜59歳の平均の月給なら10年で約6144万円

早期退職して再就職しない場合、60歳までの給与は受け取らなくなります。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、大学卒の所定内給与額(男女計・月額)は50〜54歳で49万4900円、55〜59歳で52万9100円です。

  • 【50〜54歳の5年間】月49万4900円×60か月で約2969.4万円
  • 【55〜59歳の5年間】月52万9100円×60か月で約3174.6万円
  • 【10年間の合計】約6144万円

所定内給与額は残業代や賞与を含まない月給で、税金や社会保険料を差し引く前の額面です。それでも10年間の合計は、早期優遇退職と定年退職の退職金の平均の差(229万円)の約26.8倍になります。

※試算の前提:大学卒の所定内給与額(男女計)の平均。賞与・残業代・昇給は含めず、額面で計算。

例)大学卒で22歳から勤めた場合 50歳で早期退職したときと60歳の定年まで勤めたときの退職金・税金・給与(試算)1/1

大学卒で22歳から勤めた場合の試算。50歳で早期退職(勤続28年)すると退職金の平均は2266万円、退職所得控除額1360万円、所得税と住民税は約94.2万円で手取りは約2171.8万円。60歳で定年退職(勤続38年)なら退職金の平均2037万円、控除額2060万円で税金は0円。50〜59歳の月給は10年で約6144万円。

出所:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」、厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」をもとにLIMO編集部作成