Cさんの実母は、孫娘の七五三にと驚きの品を送ってきました。それは、Cさんもすっかり忘れていた七五三で使用した草履です。ある日、電話をかけた際に実母から「そういえば今年は孫の七五三だから草履を送るね」と言われた時から嫌な予感を感じてはいました。

Cさんの実母は、自他共に認めるズボラな性格です。放置していた草履を何かの拍子でたまたま見つけて、タイミングよく孫娘の七五三が重なったこともあり「祖母らしい行動をしよう」と、思いつきで言ってきたとCさんは考えました。

数日後届いた草履は、予想通りひどい状態。どう見ても自分の娘が履きたがるとは思えず、Cさんはこっそり処分しようとしましたが、「おばあちゃんがせっかく送ってきたのだから」と旦那さんにストップをかけられました。そのままズルズルと捨てる機会がないまま時は過ぎ、娘さんが小学4年生になった今でもCさんの家の下駄箱には草履が保管されているそうです。

七五三の年齢になる前から昔との違いを説明しておこう

七五三を取り巻く環境は、保護者世代と今とでは大きく変化をしています。まず、七五三は事前撮影が主流で、参拝時に着用する着物もスタジオで一式借りられます。少子化に伴い、兄弟姉妹間で着物のお下がりをする機会が激減していることもあり、筆者の周囲でも七五三用の着物を購入したママはいません。

祖父母世代は、高価な着物を購入した方も少なくありません。「孫の時に陽の目を見る」と長期にわたり大切に保管しているのです。

ただし、そういった好意が全て受け入れられるとは限りません。世代間の溝をなくすためにも、乳児期から現代の七五三の流れや仕組み、そして人気のある着物のデザインをさり気なく見せておく必要があります。親子三代が楽しく和やかに過ごせる七五三にするためにも、先手先手で情報を共有していきましょう。

中山 まち子