5. 【2026年10月の総務副大臣通知】地方公務員の給与水準の適正化を要請

政府は2026年10月9日、国家公務員の給与を8月の人事院勧告どおりに改定することを閣議決定しました。同じ日、総務省は総務副大臣名で、地方公務員の給与改定の取り扱いについての通知を都道府県や指定都市に出しています。

通知は、地方公務員法と地方自治法にもとづく技術的な助言です。都道府県には、管内の市区町村にも内容を伝えるよう依頼しました。

5.1 国や民間との均衡を求める

通知は、給与制度やその運用が適正でないなどの理由で、地域の国家公務員や民間の給与水準との均衡が図られていない団体に対し、必要な是正を速やかに行うよう求めました。閣議決定にも、同じ趣旨の要請が盛り込まれています。

各団体の給与改定は、人事委員会の勧告をふまえつつ、地域の民間給与の状況を考えて対応することが前提です。期末手当と勤勉手当は、勤務実績に応じた給与を進める改定を行うこととされました。

5.2 「わたり」の見直し

通知は、職務に合わない上の級に職員を格付けする、いわゆる「わたり」などの不適正な給与制度や運用を、速やかに見直すよう求めました。上位の級の職員の割合が大きすぎる団体には、計画的な適正化を促しています。

5.3 高齢層の昇給抑制

国では2014年1月1日から、55歳を超える職員は標準の勤務成績では昇給しない仕組みになっています。通知は、地方でも国の取り扱いや定年引き上げの施行をふまえ、高齢層の職員の昇給抑制などの措置を速やかに講じるよう求めました。

5.4 人事評価を勤勉手当や昇給に反映

人事評価の結果を勤勉手当や昇給に十分に反映できていない団体は、速やかに必要な措置を講じることが求められました。勤勉手当の支給や昇給を、人事評価の結果を反映させずに一律に行うような運用は、法の趣旨に反するとして是正を促しました。

6. 自分の自治体の給料水準の調べ方

通知は、給与と定員の状況について、住民が団体どうしを比べて分析できるよう、公表様式に沿った情報開示を徹底するよう求めています。総務省の給与情報等公表システムでも、各団体の状況を見ることができます。

6.1 自治体のホームページで探す

自治体のホームページでは、「給与・定員管理等の状況」などの名前で、職員の給与の状況が公表されています。都道府県によっては、県内の市町村のラスパイレス指数をまとめて載せているところもあります。

6.2 数字を見るときの注意点

ラスパイレス指数は給料月額だけを比べたもので、地域手当などの手当は含みません。指数が100を下回っていても、手当を含めた給与の総額が国より少ないとは限らない点に注意が必要です。

また、調査は2025年4月1日現在の数字です。2026年の人事院勧告や人事委員会勧告による改定は、まだ反映されていません。

7. まとめにかえて

地方公務員の一般行政職のラスパイレス指数は、2025年4月1日現在で98.9でした。指定都市は99.8、都道府県は99.7で、町村は96.7、特別区は97.9です。

総務省は2026年10月9日の通知で、国や民間との給与水準の均衡が図られていない団体に是正を求め、「わたり」の見直しや高齢層の昇給抑制、人事評価の反映を要請しました。

自治体に勤めている人や、自分の住む自治体の職員の給与が気になる人は、自治体が公表している「給与・定員管理等の状況」を一度見ておくと安心です。

参考資料

太田 彩子