5. 【毎月勤労統計調査】2026年8月の民間の残業代は月2万8270円
厚生労働省は2026年10月23日、毎月勤労統計調査の2026年8月分の確報を公表しました。事業所規模5人以上の事業所で働く人の給与や労働時間を、毎月調べている統計です。
5.1 一般労働者の所定外給与は5.2%増
所定外給与は、所定の労働時間を超える労働などに対して支給される給与で、いわゆる残業代にあたります。パートタイム労働者を除く一般労働者では月2万8270円で、前年同月より5.2%増えました。
民間の一般労働者の所定外給与(残業代)は月2万8270円。産業別では電気・ガス業の6万8324円が最多(2026年8月分確報)2/2
出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年8月分結果確報」をもとにLIMO編集部作成
- 調査産業計:2万8270円(5.2%増)
- 電気・ガス業:6万8324円(12.2%増)
- 運輸業,郵便業:5万1633円(5.9%増)
- 情報通信業:3万6989円(5.4%増)
- 製造業:3万6657円(7.3%増)
- 建設業:2万7954円(3.7%増)
- 卸売業,小売業:2万1827円(4.7%増)
- 医療,福祉:2万695円(8.0%増)
- 教育,学習支援業:1万120円(7.4%増)
5.2 所定外労働時間は月12.3時間
一般労働者の所定外労働時間は月12.3時間で、前年同月より1.6%増えました。所定外給与を所定外労働時間で割ると、1時間あたり約2300円になります。
この1時間あたりの額は、割増賃金や休日・深夜の労働の分も含めた平均を、単純に割った目安です。実際の時給の単価は、勤め先の賃金や割増率によって変わります。
5.3 パートタイム労働者を含めると2万447円
パートタイム労働者を含む就業形態計では、所定外給与は月2万447円で、前年同月より4.9%増えました。働き方の違いを含めた平均なので、一般労働者よりも低い額になります。
6. 公務員と民間の残業代を比べるときの注意点
都道府県の一般行政職の時間外勤務手当は、47都道府県の単純平均で月約3万4800円でした。数字の上では、民間の一般労働者の所定外給与2万8270円を上回っています。
6.1 時点と対象が違う
ただし、公務員の数字は2025年4月1日現在、民間の数字は2026年8月分で、時点が1年以上離れています。月によって業務の繁閑も違うため、どちらか1か月の数字だけで多い少ないを決めることはできません。
また、地方公務員の数字は都道府県の一般行政職に限ったものです。民間は事業所規模5人以上のすべての産業の平均で、仕事の中身も働く人の構成も違います。
6.2 勤め先の資料で確かめる
自治体の職員の時間外勤務の状況は、自治体によっては人事行政の運営状況などとして公表されています。民間の会社員は、給与明細の残業手当の欄や、勤め先の就業規則で割増率を確かめられます。
7. まとめにかえて
2025年4月1日現在、都道府県の一般行政職の時間外勤務手当は徳島県の月5万2200円が最も多く、広島県の2万3000円との差は月2万9200円でした。指定都市では、さいたま市の5万6000円が最多です。
民間では、2026年8月の一般労働者の所定外給与が月2万8270円で、前年同月より5.2%増えました。時点や対象が違うため、比べるときはその点を押さえておく必要があります。
自分の残業代が適正に支払われているか気になる人は、給与明細と勤務時間の記録を照らし合わせてみると安心です。公務員なら職場の人事・給与の担当、会社員なら勤め先の総務や労働基準監督署に相談できます。
参考資料
太田 彩子