5. 施設基準は「算定月の3月前の件数ベースのマイナ保険証利用率が30%以上」:薬局に求められる基準で、患者が使ったかどうかの区分ではない
電子的調剤情報連携体制整備加算の施設基準(通知)には、算定する月の3月前の件数ベースのマイナ保険証利用率が30%以上であることが入っています。これは、薬局が加算を算定するための基準です。
厚生労働省が令和8年6月18日の社会保障審議会医療保険部会の資料で示した、令和8年4月の薬局のマイナ保険証の利用率は63.29%でした。ただし、この利用率は、利用人数をレセプト件数で割った値です。施設基準にある「件数ベースのマイナ保険証利用率」と同じ数え方かは、本記事では確認できていません。
6. 毎月薬局に行った場合の年間の加算分:改定前の区分で、年間の負担は増える場合も減る場合もある
月1回の加算なので、毎月その薬局に行くと、年間では12回分になります。改定前に医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算の両方を算定していた薬局の場合と、改定後を、毎月行った場合の年間の加算分で比べます。
毎月薬局に行った場合、年間の加算分はいくら?改定前の区分と改定後の3割負担の金額を比較して確認(編集部試算)3/3
出所:厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」を基にLIMO編集部試算
6.1 【毎月薬局に行った場合、年間の加算分はいくら?改定前の区分と改定後の3割負担の金額を比較して確認(編集部試算)】
- 改定前の医療DX推進体制整備加算1と医療情報取得加算:年間121点で1210円、3割負担なら363円です。
- 改定前の医療DX推進体制整備加算2と医療情報取得加算:年間97点で970円、3割負担なら291円です。
- 改定前の医療DX推進体制整備加算3と医療情報取得加算:年間73点で730円、3割負担なら219円です。
- 改定後の電子的調剤情報連携体制整備加算:年間96点で960円、3割負担なら288円です。
3割負担で毎月行くと、改定前の加算1の薬局は年363円から288円に75円下がり、加算3の薬局は年219円から288円に69円上がります。加算2の薬局は、年291円から288円で、3円の差です。
7. 【検証】試算から見えること:変わるのは月に数円から十数円で、薬局の改定前の区分で増減が分かれる
この記事の試算は、厚生労働省の資料のスライド28に書かれた現行と改定後の点数に、1点10円と負担割合を当てはめたものです。窓口負担の金額そのものではなく、加算分だけを単純に計算した値です。
改定前の医療DX推進体制整備加算は、加算1が10点、加算2が8点、加算3が6点と、薬局の区分で点数が違いました。改定後は8点の1つに一本化されたため、改定前の区分によって、増減が分かれます。
「マイナ保険証を使うと薬代が変わる」という疑問に対し、資料の算定の規定では、加算は保険薬局が施設基準に適合している場合に月1回加わる形で、患者が使ったかどうかによる区分は書かれていません。ただし、この資料の範囲の話で、患者の使用状況が別の規定で扱われていないかは、確認できていません。
窓口負担は、調剤報酬の合計点数に負担割合をかけて計算されるため、加算分を単独で計算した金額とは、数円ずれることがあります。薬局の領収書の明細に、加算の名前と点数が書かれているかも、薬局によって違うため、確認できていません。
ご自身が通う薬局の改定前の区分や、現在の加算は、薬局に確かめるのが確実です。