デジタル庁は2026年10月20日から、スマホのGoogle ウォレットに入れて使う「Androidのマイナンバーカード」の提供を始めました。令和8年8月からは、後期高齢者医療でも、年齢とマイナ保険証の利用登録の有無などで、届く書類が「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」に分かれています(横浜市の案内)。マイナンバーカードやマイナ保険証の使い方が変わる中で、実物のカードの電子証明書の有効期限にも、備えが必要です。
デジタル庁のウェブサイトに掲載された資料(令和7年5月)によると、マイナンバーカードの電子証明書の更新が必要になる件数は、令和8年度(2026年度)が1430万件、令和9年度(2027年度)が2100万件の想定です。令和9年度は、資料の表にある令和6年度から令和9年度の4年間で最も多く、令和8年度の約1.47倍です(編集部の計算)。
マイナ保険証として使うには、電子証明書が有効であることが必要です。有効期限は、電子証明書の発行から5回目の誕生日までで、期限が切れても、有効期限満了日が属する月の末日から3か月間は、引き続きマイナ保険証として使えます(デジタル庁)。ただし、この間に医療機関で確認できるのは保険資格の情報だけで、診療情報や薬剤情報は確認できません。
この記事では、年度ごとの件数の見込みと、有効期限の日付ごとに、更新を始められる日と猶予が終わる日を整理します。※件数は、出典の資料の想定値をもとにしていて、その後の見込みは確認できていません。
1. 電子証明書の更新は令和8年度に1430万件、令和9年度は2100万件の想定:カードの更新は令和7年度がピーク
資料には、マイナンバーカードと電子証明書の有効期限切れに係る、年度ごとの想定更新件数が載っています。カードの更新は、令和6年度が280万件、令和7年度が1200万件、令和8年度が590万件、令和9年度が710万件です。
電子証明書の更新は、令和6年度が690万件、令和7年度が1580万件、令和8年度が1430万件、令和9年度が2100万件です。年度ごとに並べて、カードと電子証明書の合計も、編集部が計算しました。
1.1 【マイナンバーカードと電子証明書の更新は何件?令和6年度から令和9年度までの年度別の想定更新件数を比較で確認】
前提条件:デジタル庁ウェブサイト掲載の資料(令和7年5月)の「マイナンバーカード・電子証明書の有効期限切れに係る想定更新件数」による。件数は想定で、合計は編集部が計算した1/2
出所:デジタル庁ウェブサイト掲載の資料「マイナンバーカード・電子証明書の有効期限切れに係る想定更新件数」(令和7年5月)の数値を基にLIMO編集部作成(合計は編集部が計算)
- 令和6年度(2024年度):カードの更新は280万件、電子証明書の更新は690万件で、合計は970万件です。
- 令和7年度(2025年度):カードの更新は1200万件、電子証明書の更新は1580万件で、合計は2780万件です。
- 令和8年度(2026年度):カードの更新は590万件、電子証明書の更新は1430万件で、合計は2020万件です。
- 令和9年度(2027年度):カードの更新は710万件、電子証明書の更新は2100万件で、合計は2810万件です。
カードの更新は、令和7年度の1200万件がピークで、令和8年度は590万件に下がります。電子証明書も、令和8年度は令和7年度の1580万件より150万件少なくなります。
ただし、令和9年度は、電子証明書が2100万件に増え、令和7年度の1580万件の約1.33倍になります(編集部の計算)。資料には、有効期限は誕生日が基準のため、更新は各月に一定に平準化されると書かれています。この考え方で月ごとに平均すると、令和9年度の電子証明書は月175万件、令和8年度は月約119万件です。
2. 期限が切れても月末から3か月は使える:有効期限が12月15日なら、更新は9月15日から、猶予は3月末まで
電子証明書とカードの更新は、どちらも有効期限の3か月前から、住所地の市区町村の窓口でできます。有効期限を迎える方には、期限の2か月から3か月前を目途に、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から、有効期限通知書が送られます(デジタル庁)。
電子証明書の有効期限が切れても、有効期限満了日が属する月の末日から3か月間は、医療機関などを受診できます。この猶予の期間に更新すれば、再度のマイナ保険証の利用登録は必要ありません。
この条件を、有効期限の日付ごとに、編集部が日付に直しました。猶予が終わる日は、期限の3か月後の末日です。
2.1 【マイナ保険証の電子証明書が切れたらいつまで使える?有効期限の日付ごとに更新を始められる日と猶予が終わる日を一覧で確認】
前提条件:デジタル庁「マイナンバーカードおよび電子証明書の有効期限・更新」による。更新は有効期限の3か月前から可能。猶予は有効期限満了日が属する月の末日から3か月間(期限の3か月後の末日まで)。日付への当てはめは、編集部が例として計算2/2
出所:デジタル庁「マイナンバーカードおよび電子証明書の有効期限・更新」を基にLIMO編集部作成(日付は編集部が計算)
- 有効期限が令和8年12月15日:更新を始められるのは令和8年9月15日から、猶予が終わるのは令和9年3月31日です。
- 有効期限が令和9年3月15日:更新を始められるのは令和8年12月15日から、猶予が終わるのは令和9年6月30日です。
- 有効期限が令和9年4月15日:更新を始められるのは令和9年1月15日から、猶予が終わるのは令和9年7月31日です。
猶予が終わる日までに更新しなかった場合で、お手元に有効な健康保険証もないときは、申請しなくても資格確認書が交付されます(デジタル庁)。
3. カードの更新は申請から交付まで約1か月から2か月:通知から1か月以内に申請すれば、最長でも期限に間に合う計算
電子証明書の更新は、カードを持って窓口で手続きします。オンラインでは更新できません。一方、カード本体の更新は、先に申請をして、交付通知書が届いてから窓口で受け取ります。
国の通知(令和7年3月21日付け)を示した資料では、通常の申請から交付までに想定される期間は、約1か月から2か月程度とされています。また、カードの有効期限切れ対象者は、特急発行の対象にならないため、余裕を持って申請する必要があると示されています。
3.1 【電子証明書とカードの更新はどう違う?手続きの流れ・かかる期間・窓口での時間の目安を2つの手続きで比較して確認】
- 電子証明書の更新:カードを持って、市区町村の窓口で手続きします。オンラインではできません。窓口で更新するため、交付通知書は不要で、窓口での時間の目安は10分/件です。
- カード本体の更新:申請をして、交付通知書が届いたら窓口で受け取ります。申請から交付までは約1か月から2か月程度で、窓口での時間の目安は15分から20分/件です。
カードの有効期限通知書は、期限の約3か月前に届きます。通知が届いてから1か月後に申請し、交付まで最長で約2か月かかるとすると、3か月から1か月と2か月を引いて、残りは0か月で、期限の日に間に合う計算です(編集部の試算)。申請が遅れるほど、期限を過ぎるおそれが高まります。
4. 【編集者の視点】
令和9年度は、電子証明書の更新が特に多い年に当たります。期限の3か月前から更新できることを、頭に入れておくと安心です。
電子証明書は、期限が切れても月末から3か月は使えますが、その間に確認できるのは保険資格の情報だけです。診療情報や薬剤情報を医療機関に見てもらうには、猶予の間でも、早めの更新が必要になります。
5. まとめ
デジタル庁のウェブサイトに掲載された資料(令和7年5月)では、電子証明書の更新の想定は、令和8年度が1430万件、令和9年度が2100万件です。令和9年度は、令和8年度の約1.47倍になります(編集部の計算)。
電子証明書が切れても、有効期限満了日が属する月の末日から3か月間は、マイナ保険証として使えます。有効期限が令和8年12月15日なら、更新は令和8年9月15日から、猶予は令和9年3月31日までです(編集部の計算)。
この記事の件数は、令和7年5月時点の想定で、最新の見込みは確認できていません。ご自身の有効期限と手続きは、有効期限通知書や、お住まいの市区町村の窓口で確かめてください。
6. 猶予が終わったあとは資格確認書:有効期限は5年以内で保険者が設定
厚生労働省は、マイナ保険証を使わない場合の受診方法として、資格確認書を案内しています。申請によらず交付される方の中に、マイナンバーカードの電子証明書の有効期限切れの方が入っています。
資格確認書の有効期限は、5年以内で保険者が設定することになっています。様式や発行の形態は保険者によって異なるため、加入している医療保険者からの情報を確かめてください。
7. 【検証】試算から見えること:件数は想定で、日付は2つの条件を当てはめたもの
令和9年度に電子証明書の更新が2100万件という数字は、資料の表で最も大きい値です。ただし、令和7年5月時点の想定で、その後の見込みは確認できていません。規模をつかむ目安として読むのが適切です。
日付の試算は、デジタル庁の説明にある「更新は期限の3か月前から」「猶予は期限満了日が属する月の末日から3か月間」という2つの条件を、そのまま当てはめたものです。猶予の終わりは、有効期限の月によって、3月末日、6月末日、7月末日と変わります。
カードの更新は、申請から交付まで約1か月から2か月程度かかり、特急発行の対象にもなりません。ご自身の有効期限は、カードの券面かマイナポータルで確かめてください。更新できる日や予約の取り方は、市区町村によって異なります。
8. 【編集者の視点】
電子証明書の猶予は、あくまで保険資格の確認が続く期間です。診療情報や薬剤情報を医療機関に見てもらうには、期限の前に更新しておくのが確実です。
※本記事は、編集部がデジタル庁、厚生労働省が公表する公式の最新一次資料を直接確認の上、執筆・検証しています。
9. よくある質問
9.1 Q. 電子証明書の有効期限はいつまでですか?
電子証明書の発行から5回目の誕生日までです。年齢に関わらず同じです。マイナンバーカード本体は、18歳以上で発行した場合、発行から10回目の誕生日までです(デジタル庁)。
9.2 Q. 電子証明書が切れても、マイナ保険証は使えますか?
有効期限満了日が属する月の末日から3か月間は、引き続き使えます。ただし、医療機関で確認できるのは保険資格の情報だけで、診療情報や薬剤情報は確認できません。
9.3 Q. 猶予が終わるまでに更新しなかったら、どうなりますか?
お手元に有効な健康保険証もなく、更新もしなかった場合は、申請しなくても資格確認書が発行されます。資格確認書でも、引き続き医療機関を受診できます(デジタル庁)。
9.4 Q. 猶予の間に更新したら、再び登録が必要ですか?
有効期限の3か月後の末日までに更新した場合は、再度のマイナ保険証の利用登録は必要ありません(デジタル庁)。
9.5 Q. カードの更新には、どのくらいかかりますか?
申請から交付通知書が届くまで、約1か月ほどかかります。国の通知(令和7年3月21日付け)を示した資料では、通常の申請から交付までに想定される期間は、約1か月から2か月程度です。
9.6 Q. 有効期限はどこで確認できますか?
カードの券面で確認できます。電子証明書の有効期限が券面にない場合は、マイナポータルのトップページの「マイナンバーカード」から確認できます。
9.7 Q. 令和9年度の更新件数は、確定した数字ですか?
確定した数字ではありません。資料の表は「想定更新件数」で、令和7年5月時点のものです。その後の見込みは、本記事では確認できていません。
参考資料
- デジタル庁「マイナンバーカードおよび電子証明書の有効期限・更新」
- デジタル庁ウェブサイト掲載の資料「マイナンバーカード・電子証明書の有効期限切れに係る想定更新件数」ほか(令和7年5月)
- 厚生労働省「資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)」
- デジタル庁「「Androidのマイナンバーカード」の提供を開始しました」(2026年10月20日)
- 横浜市「高齢者施設・障害者施設のご担当者様へ」(令和8年8月以降の資格確認書・資格情報のお知らせの取扱い)
齊藤 慧