スマートフォンの料金は毎月決まって引き落とされるため、金額をあまり気にしないまま払い続けている人も多いのではないでしょうか。契約したときのプランのままという人や、手続きを家族に任せているという人もいます。

携帯キャリアのニュースサイトで11年間編集に携わっていた頃も、料金プランの見直しは毎回大きな注目を集めていました。ここでは、65歳以上の一人暮らしの世帯が実際に払っている金額と、使うデータ量が同じ場合、料金がどれだけ違うかを、総務省の統計と調査で確かめます。

あわせて、乗り換えにかかる費用を差し引いても、1年目にいくら下がるかを試算します。

※「月約3700」円は、総務省「家計調査」2025年の単身世帯のうち65歳以上の世帯の携帯電話通信料(年4万4401円)を12か月で割った額です。料金の比較は、総務省「電気通信サービスに係る内外価格差調査(令和7年度)」の東京の料金(2025年12月時点・税込)をもとにしています。

1. 65歳以上の一人暮らしのスマホ代は月いくら?家計調査では携帯電話の通信料が月約3700円

総務省「家計調査」2025年によると、単身世帯のうち65歳以上の世帯の携帯電話通信料は年4万4401円で、月にすると約3700円です。男女別では、男性が年4万6778円(月約3900円)、女性が年4万3145円(月約3600円)でした。

  • 【携帯電話通信料】年4万4401円(月約3700円)
  • 【携帯電話機(端末の購入)】年4118円
  • 【固定電話通信料】年1万6072円(月約1300円)
  • 【参考:単身世帯全体の携帯電話通信料】年5万3799円(月約4500円)

家計調査では、端末を買った代金は「携帯電話機」という別の品目に分かれています。月約3700円は、端末代を除いた通信料の平均です。

また、この平均には携帯電話を持っていない世帯も含まれます。総務省「令和7年通信利用動向調査」によると、スマートフォンを持っている人の割合は60代で88.6%、70代で68.1%、80歳以上で33.0%です。持っている人だけで見れば、1人あたりの支払いは平均より高くなると考えられます。

2. 使うデータ量が同じなら料金はいくら違う?月2GBなら主力ブランドで月約3000円、格安SIMで月約1400円

総務省「電気通信サービスに係る内外価格差調査(令和7年度)」は、通話の時間やデータ量を決めた利用モデルごとに、各社の料金プランのうち最も安いものの月額を調べています。東京の5Gスマートフォンの結果は次のとおりです。

  • 【月2GB】主力ブランド2974円、サブブランドを含む大手の最安1384円、格安SIM1354円
  • 【月5GB】主力ブランド2974円、サブブランドを含む大手の最安2484円、格安SIM1454円
  • 【月20GB】主力ブランド2974円、サブブランドを含む大手の最安2974円、格安SIM2504円

月2GBの場合、主力ブランドと格安SIMの差は月1620円で、年にすると約1万9000円(1万9440円)です。月5GBでは年約1万8000円(1万8240円)、月20GBでは年約5600円(5640円)の差になります。

一方、家計調査の65歳以上の一人暮らしの平均(月約3700円)は、主力ブランドで月20GBまで使える料金(2974円)よりも高い水準です。

※試算の前提:総務省「電気通信サービスに係る内外価格差調査(令和7年度)」の東京・5Gスマートフォンの料金(2025年12月時点、税込、新規契約)。通話月44分、メール月60通などの同調査の利用モデルに照らして最も安いプランの料金です。

※主力ブランドはシェア1位の事業者(NTTドコモ)で、どのデータ量でもahamo(データ30GB)が最安と判定されています。格安SIMはシェア1位のMVNOの料金です。年額は月額×12か月で、端末代は含みません。

データ量別 スマートフォンの月額料金の比較(東京・5G・2025年12月時点)1/1

東京の5Gスマートフォンの月額料金は、月2GBで主力ブランド2974円、サブブランドを含む大手の最安1384円、格安SIM1354円。月5GBは2974円、2484円、1454円。月20GBは2974円、2974円、2504円。主力ブランドと格安SIMの差は年額で、月2GBが1万9440円、月5GBが1万8240円、月20GBが5640円。主力ブランドはどのデータ量でもデータ30GBのプランが最安。65歳以上の一人暮らしの携帯電話通信料は平均で月約3700円。

出所:総務省「電気通信サービスに係る内外価格差調査(令和7年度)」、総務省「家計調査(2025年)」をもとにLIMO編集部作成

3. 乗り換えにはいくらかかる?ウェブで手続きすれば、月2GBの場合は1年目でも約1万6000円下がる

総務省の「携帯電話ポータルサイト」によると、乗り換えでかかる主な費用は次のとおりです。

  • 【転出の手数料(MNP)】ウェブでの申し込みは無料。電話や店舗では1100円以下の手数料がかかる場合がある
  • 【違約金】2022年7月1日以降の契約は、月額料金が上限。大手などの対象サービスは、1100円と月額料金のどちらか低い方が上限
  • 【SIMロックの解除】2021年10月以降に発売されたスマートフォンは、原則SIMロックなし。解除の手数料は、ウェブでは無料、電話や店舗では3300円が多い
  • 【乗り換え先の契約事務手数料・SIMカード代】おおむね3300円前後

仮に月2GBの使い方で主力ブランドから格安SIMに移り、契約事務手数料が3300円かかったとしても、1年目に下がる額は約1万6000円(1万6140円)です。月5GBなら約1万5000円(1万4940円)、月20GBでは約2300円(2340円)になります。

ただし、端末の分割払いが残っている場合は、乗り換えたあとも支払いが続くため注意が必要です。

※試算の前提:前の章の年額の差から、契約事務手数料3300円を差し引いた額です。違約金・端末代は含みません。

4. 格安SIMに替える前に確かめたいことは?店舗の少なさと、混み合う時間帯の速度

総務省のポータルサイトでは、格安SIM(MVNO)について、電波のつながりやすさは大手と同じで、1GB・3GB・6GBなどの少ない容量のプランが多いとしています。

一方で、店舗が少なくオンラインでの対応が中心であることや、昼休み・通勤時間帯・夜間など混み合う時間はデータ通信の速度が下がる場合があることも挙げています。

店頭で相談しながら使いたい人は、大手のサブブランドを含めて比べる方法もあります。月2GBでは、サブブランドを含む大手の最安(1384円)と格安SIM(1354円)の差は月30円でした。

5. 【検証】試算から見えること:料金の差を生むのは容量より「プランの種類」

今回の試算で目立ったのは、使うデータ量よりも、「どのブランドのどのプランを選ぶか」で料金が変わる点です。主力ブランドは、データ30GBのプランが最安だったため、月2GBでも月20GBでも2974円で、少ない容量で使っても料金は下がりませんでした。

逆に、月2GBほどの利用なら、サブブランドを含む大手の最安でも格安SIMでも、月1400円前後に収まる可能性があります。使う量が少ない人ほどプランの種類による差が大きく出やすい傾向にあるため、サービス内容を確認し納得したうえであれば、節約につながるかもしれません。

家計調査の平均(月約3700円)は、この調査の主力ブランドの料金(月20GBまで2974円)を上回っています。ただし、平均は実際に払った額なので、通話量や付けているオプションの違いも含んだ金額です。調査の料金とそのまま比べられるものではありません。

まずは請求書や会員ページで、毎月の通信料と直近数か月のデータ使用量を確かめることがプラン見直しの第一歩となるでしょう。

6. まとめ

65歳以上の一人暮らしの携帯電話の通信料は、家計調査の平均で月約3700円でした。総務省の調査で同じ使い方の料金を比べると、月2GBなら主力ブランドで月2974円、格安SIMで月1354円で、年約1万9000円の差があります。

乗り換えの手数料は、ウェブで手続きすれば抑えられます。店舗での相談を重視しない場合は、オンライン手続きも選択肢に入れて、使う量に合ったプランを比べてみてはいかがでしょうか。

※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の料金は、契約しているプラン、割引、通話の量、端末代の支払いなどによって異なります。料金や手続きの条件は、契約先の通信会社でご確認ください。

参考資料

塚本 奈津子