このたび熊本を中心とする地震でお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

レビュー:年初来パフォーマンスが出遅れた国の株式市場が上昇した1週間

先週(4月11日‐4月15日)の株式市場はしっかり上昇しました。インドネシア市場を除き主要な市場はいずれも上昇しています。この中で急反発した市場が目立ちました。日本、欧州主要国、香港、シンガポール、オーストラリア、インド、中国などの市場では現地通貨ベースで+3%を超える上昇になっています。米国市場の展開も堅調でした。

週後半以降にG20財務相・中央銀行総裁会議と産油国の協議を控えていましたが、為替相場と原油価格が落ち着いていたこと、米国の景気が緩やかに拡大しつつも物価上昇圧力が高まっていないことをベージュブックなどで確認したことから、資源国や資源株を始め中国・欧州・日本など年初来のパフォーマンスが出遅れた株式が上昇しました。

米国では決算発表後の金融株の上昇が目に付きます。また、中国の景気指標は減速を示していますが、公共投資や不動産投資が一定の下支えを見せていることがある程度の安心感につながっていると思います。

先週の主要市場の動き

注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

年初来の主要市場の動き 

注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

アウトルック:米国で決算発表本格化。日本は消費税再増税の行方と九州の地震対策に注目

今週(4月18日‐4月22日)は、G20財務相・中央銀行総裁会議の協議内容の消化、原油価格動向、米国の決算本格化がポイントです。

G20の声明は課税逃れの問題を除くと新味の乏しい印象です。また、産油国の原油生産調整協議の行方は本稿執筆時点では不明です。とはいえ、為替・原油が落ち着いてくれば、出遅れ市場・株を拾う動きが今週も継続しそうです。そのためには、今週はいよいよ本格化する米国企業の決算で業績改善の道筋がしっかり見え、米国株が堅調に推移することが前提になるでしょう。

なお、日本はG20を受けて円安期待が後退するでしょう。他方で消費税再増税が延期される可能性が高まり、九州の復旧・復興のための財政出動が期待されています。素材や内需関連株に恩恵がありそうです。

【2016年4月17日 投信1編集部】

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LIMO編集部