5. 計算期間の途中で親が75歳になったら、前の医療保険の自己負担額証明書を添える

親が75歳の誕生日を迎えると、国民健康保険や会社の健康保険から後期高齢者医療制度に移ります。計算期間の途中で医療保険が変わった年の扱いを、大津市と京都市の案内で確認します。

5.1 前の医療保険で払った自己負担も合算の対象になる

大津市の案内では、計算期間の途中で医療保険が変わった場合、変更前の医療保険で払った自己負担も合算の対象になります。その際は、変更前の医療保険から交付される自己負担額証明書が必要です。

京都市も、計算期間内に他の市町村の国民健康保険や介護保険、社会保険などに加入していた場合は、申請書に記載が必要だとしています。75歳になった年は、前の医療保険での自己負担も忘れずに書き出しておきましょう。

5.2 夫婦の一方が先に75歳になった年は、合算できる範囲が変わる

基準日の7月31日時点で、夫が後期高齢者医療制度、妻が国民健康保険に加入していれば、2人の分は別々に計算します。夫婦で年齢差がある家庭では、どちらが先に75歳になるかで、合算できる組み合わせが年によって変わります。

親の介護費が多い年に、もう一方の親の医療費が重なりそうなときは、2人がそれぞれどの医療保険に加入しているかを、計算期間の始まる8月の時点で確かめておくと見通しが立てやすくなります。

6. 高額医療・高額介護合算療養費制度の申請先は、7月31日に加入していた医療保険

高額医療・高額介護合算療養費制度の申請は、介護保険の窓口ではなく、医療保険の窓口に出します。申請先と期限を確認します。

6.1 京都市の国民健康保険では、対象の人に翌年3月以降にお知らせが届く

京都市では、対象になる人に、計算期間が終わったあとの翌年3月以降に「お知らせ」と支給申請書を送付しています。申請書は基準日時点で加入している医療保険者に提出するため、介護保険窓口への提出は不要です。

千葉県船橋市の案内では、会社の健康保険などに加入している人は、加入している医療保険に申請するとしています。その申請に必要な介護保険の自己負担額証明書は、市の介護保険課に発行を申請します。

6.2 申請の期限は、基準日の翌日から2年以内

健康保険法などの規定により時効があるため、基準日(7月31日)の翌日から2年以内に申請する必要があります。令和7年8月から令和8年7月までの分なら、令和8年8月1日から2年以内が期限です。

お知らせが届かない場合でも、対象にならないとは限りません。京都市は、対象と思われるのに案内が届かないときは問い合わせるよう案内しています。

7. 親の医療費と介護費は、8月から翌年7月までの1年分を家族で並べて見る

高額医療・高額介護合算療養費制度は、自動的にすべての人に支給されるわけではありません。対象になりそうかどうかを家族が先に見当をつけておくと、手続きの漏れを防げます。

7.1 医療費の領収書と介護サービスの利用明細を、計算期間ごとにまとめておく

合算の対象は、高額療養費や高額介護サービス費を差し引いたあとの自己負担です。病院の領収書と、介護サービス事業所から毎月届く利用明細を、8月から翌年7月までの1年分まとめておくと、自己負担の合計を確かめやすくなります。

子が親の医療費や介護費を立て替えている場合は、誰がいつ払ったかを家族で共有しておくと、申請書を書くときに迷わずに済みます。

8. まとめ

高額医療・高額介護合算療養費制度は、8月から翌年7月までの1年間に、同じ医療保険に加入している家族が払った医療費と介護費を合算し、基準額を超えた分を支給する制度です。後期高齢者医療制度の一般の区分なら基準額は56万円で、父の医療費30万円と母の介護費36万円の計算例では10万円が戻ります。

同じ家に住んでいても、医療保険が違う家族の分は合算できません。介護保険から支払われる高額医療合算介護(介護予防)サービス費は、令和8年6月支出決定分で118億円でした。両親の加入している医療保険と1年分の自己負担を、家族で並べて確かめておきましょう。

参考資料