母親が自分らしさを出すと非難され、逆に自分を押し殺して家族のために働くと褒められたり、良妻賢母と称えられる傾向が日本にはあります。
一方で、核家族、共働き、ワンオペ育児、経済の停滞などが渾然としている今の時代は、価値観が変化する過渡期。現代の女性は自分らしさも認められるようになる一方、「どんな母で/妻で/私であるべき?」と紆余曲折することも少なくありません。
筆者もある時は良妻賢母を目指し、ある時は自分らしさを取り戻しと、行ったり来たりしていたところ、小3の長男に「ママは我慢している」と言われたのです。
ユルく過ごしていた「つもり」でも、子どもからは…
「家の中でママは我慢していると思う」という長男。「いつ? どんなところが?」と聞くと、「毎日。好きな食べ物なのに、残りを食べるし。仕事の時間でも(基本的に在宅です)、弟が外で遊びたいといえば一緒に遊ぶし。言いたいことを言ってないときもあるし。全然休んでもいない」とのこと。
「ママもちょっとは休みなよ。好きなことをしな」と続ける長男。いつの間に相手を気にかけ、思いやる気持ちを持つようになったのだろうと嬉しくも寂しくも思いながら、日常を振り返りました。
3児がいる筆者は、1人目のときは完璧な母を目指していましたが、3人目の産後に諦めました。今では便利家電を使い、1人目よりはユルい育児と家事をしながら、仕事もする日々。家事育児の優先順位を「子どもの心の栄養が一番」と決め、また「ママが笑顔でいるのが子どもにとっても一番良い」と意識していたつもりでした。
それでもそれは、まだまだ「つもり」。子どもから見れば、我慢している人に見えるのです。
よく考えてみれば、どんなに手を抜こうと思っても、家事・育児・仕事の3つをこなそうとすると、なかなか自分の時間は取れません。休んでいないと長男に言われたことに、心当たりもあります。家事育児の分担にヤキモキしながら、言葉を飲み込み、自分でやってしまうことも……。
そんな親を見て、子どもはどう思うのか聞いてみました。