2026年10月13日に公表された管理職の調査(「セカンドキャリア・インキュベーション協会(SCIA)調べ(調査実施機関:株式会社ネオマーケティング)」)では、45~59歳の管理職のうち、会社を離れたあとも個人的に連絡を取り合うと思う仕事の相手が「0人」と答えた人が38.1%いました。会社を離れたあとの不安として最も多かったのは「収入が維持できるか」です。
50代になると、役職定年や定年、早期退職など会社を離れる時期やその後を意識し始める方も多いでしょう。そのとき気になるなかの一つに、年収がどう変わっていくのか、そして会社の外にどんな関係が残るのかという点があります。
本記事では、まず厚生労働省の調査から、部長級・課長級の年収の目安が50代から60代にかけてどうなっているかを確かめます。そのうえで、会社を離れたあとの人間関係についての調査結果を見ながら、今のうちに準備しておきたいことを考えていきます。
1. 【50代・60代の管理職の年収は?】部長級は55~59歳で推定1082万3400円、60~64歳で936万400円
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」の役職別の表(雇用期間の定めのない人・男女計・学歴計・企業規模計=10人以上、短時間労働者を含まない)から、年齢階級ごとの推定年収を出してみます。推定年収は、6月分の月々の給与(きまって支給する現金給与額)を12倍し、前の年の1年間の賞与などを足した目安です。
部長級の推定年収は、50~54歳で1048万3300円、55~59歳で1082万3400円、60~64歳で936万400円、65~69歳で708万300円です。課長級は、それぞれ902万6300円、892万7800円、721万4800円、538万5400円でした。役職についていない非役職では、548万1800円、556万1100円、471万7700円、382万2100円となっています。
どの役職でも、60~64歳の推定年収は、55~59歳より少なくなっています。ただし、これは年齢階級ごとに別の人たちの平均です。
それでも、60代に入ると、同じ部長級や課長級でも年収の目安が下がっていることは、50代のうちに知っておきたい点です。定年後の再雇用や役職を離れたあとの働き方によっては、収入がさらに変わることも考えられます。
50代から60代にかけては、子どもの教育費や住宅ローンの返済が続いている家庭もあれば、そろそろ終わりが見えてくる家庭もあります。年収の目安が下がる時期と、大きな支出が続く時期がどのくらい重なるのかを確かめておくと、家計の見通しを立てやすくなります。年収が多い50代のうちに、60代以降に向けた貯えをどれだけ準備できるかも大切なポイントといえるでしょう。
2. 【役職を離れる時期は?】部長級は「60歳」、課長級は「55歳」とする企業が最も多い
年収の節目になりやすいのが、役職定年です。人事院の「令和7年民間企業の勤務条件制度等調査」によると、事務・技術関係職種の従業員がいる企業(従業員100人以上)のうち、役職定年制がある企業は22.3%でした。
部長級・課長級に役職定年制がある企業で、役職を離れる年齢を見ると、部長級は「60歳」とする企業が28.0%で最も多く、次いで「55歳」が25.5%です。課長級は「55歳」が33.4%で最も多く、次いで「60歳」が27.3%でした。
役職定年の制度がない会社もありますが、制度がある会社では、50代後半から60歳ごろに役職を離れることが多いといえそうです。役職を離れたあとの処遇は会社によって違うため、自分の会社の制度を早めに知っておくことが大切です。
役職定年は、年収だけでなく、仕事の内容や周りとの関わり方が変わるきっかけにもなります。部下を持つ立場から、専門性を生かして働く立場に変わる人もいるでしょう。役職を離れる時期を前もって知っておけば、その後にどのような役割で働きたいかを考える時間をとることができます。