そうした長期積立投資を促す制度も充実してきています。たとえば、2018年から「つみたてNISA」が始まりました。年間40万円を上限に、本来は約20%取られる投資信託の分配金や値上がり益が非課税になります。また、非課税期間は20年と長期です。

個人型確定拠出年金であるiDeCo(イデコ)も、2017年から対象者が大きく拡大し、原則、現役世代が全員入れるようになりました。iDeCoでは、掛け金がまるまる税金の計算から控除されます。運用時は、つみたてNISAと同じように非課税ですし、60歳以降の受給時にも税制優遇があります。

会社員がこれらの非課税制度を使って20年間資産運用した場合のシミュレーションを考えてみます。

  • つみたてNISA 月額3.3万円
  • iDeCo 月額2.3万円

毎月5.6万円を向こう20年間にわたって年率3%で運用できれば、累計投資額1,344万円の投資に対し、1,838.5万円に増やせる計算になります(金融庁のサイトを活用して試算)。

出典:資産運用シミュレーション(金融庁)


早くから投資を始めれば、老後資金の多くをつみたてNISAとiDeCoでまかなえることがわかります。

セカンドライフに向けて資金を貯めるためには、非課税制度を使って、早めに資産運用を始めることが大切なのです。

まとめ

「老後資金2000万円問題」によって、将来の資産形成への関心が高まっています。しかし、収入を増やすだけでは必ずしも貯蓄は増えません。年収1000万円を超える世帯でも約1割が貯蓄ゼロなのです。

日々の収支を見直し、資産形成への意識を高めなければなりません。また、高収入でなくても、時間を味方につけることで、まとまった資金を作ることが可能です。ただ、そのためには投資をする必要があります。

つみたてNISAやiDeCo(イデコ)など、長期投資を促す制度も充実してきています。ゆとりあるセカンドライフのために、すぐにでも投資を始めるようにしましょう。

LIMO編集部